第二話
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から、そこに気づけと言うのもおかしなことだ。
しかし、ここで一つ問題が。それは前世で培ったステイタスの数々が失われているらしい、ということだ。
冷静になって考えればすぐ気づきそうなものだけど、前世の私が培ったステイタスは、自分で言うのもアレだけど結構アレだった。具体的に鉄の塊を軽く握りつぶせるくらいの力、私が最後に切り開いた五十階層に屯していた階層主こと迷宮の弧王の一撃を受け止められる耐久、緻密な力の流れを正確無比に受け流せる器用、やろうと思えば一階層から五十階層まで突っ走って九時間以内に往復できるほどの敏捷、一つの階層を丸ごと吹っ飛ばせる魔法が使えるほどの魔力。
それらの無茶苦茶を可能にしていた基礎アビリティが、恐らく全て初期値に戻っている。どんなに力を込めてもフォークすら曲げられない。
自分の人生全てを賭けて築き上げた数値が一気に0に戻ったことに喪失感こそあれ、絶望やら名残などは皆無だった。
あれらを授けてくださったのはセレーネ様だ。クレア・パールスの魂と同一と言えど、体はレイナ・シュワルツ。猛々しいにもほどがある。
だが、何故か知らないけど、発展アビリティとスキルは健在のようなのだ。確かに発展アビリティは基本アビリティとは別個の枠だけど、発生する条件はレベルが一つ上がるごとに1つ習得できるチャンスがあるかもしれない、というものだ。前述の通り基本アビリティは完璧に0の状態になっているはずだから、当然私のレベルも1に戻されているはず。なのに発展アビリティが健在なのだ。前世の私が十二個も発展アビリティを所有していたのも全くの謎だったから、もしかしたらそれ関連なのかもしれない。関連性が全く解らないけど。
で、何で発展アビリティとスキルが健在であることが判明したかというと、実はまた新しくスキルが発現していたからだ。
その名も【愛情の証】
内容は神様たちが扱う神聖文字を完全解析、及び神血を媒介とせずに経験値を解析して能力向上をさせる。
つまり神様たちの代行である。この力によって神様たちは下界の者たちに持ち上げられているのだから、これを知ったときは身の毛もよだつ想いだった。
でも安心、このスキル、対象は自分だけ。だから他人のステイタスを更新できるみたいなことは無い。とは言え十分ヤバイスキルに変わりないから、ゆくゆくは秘匿する方向だ。
それに乱用したくない。セレーネ様が与えてくださった物を自分が弄くるなんて恐れ多いにもほどがある。自重する。
こんな口ぶりだから解るとおり、当然私は迷宮都市オラリオに行く。そこでもう一度セレーネ様と出会って事の経緯を話したい。拒絶されるかもしれない、けれど、私の全てと言えるセレーネ様と会わないのは私が許
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