預言
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
自らを滅ぼしかねない。今の自分の状態を、どんな時でもしっかり把握しておく事だ」
それは要するにサバタさんからよく言われる、ダークマターの衝動に飲み込まれない様に強く自我を保て、というのと似たようなものだよね。それならちゃんと気を付けてるし、大丈夫だよ、きっと。
「……話を戻すが、ヴォルケンリッターが己の威信とプライドを賭けて全力で衝突した訳だから、その余波でラジエルの訓練室が一部破損してしまった。彼女達の戦闘は歴戦の騎士という肩書きに偽りの無い、洗練された技量で振るわれる剣術や体術、魔法のオンパレードで教本や指導ビデオとかにしても良い程だった。しかしいくら何でもデータ収集だけで訓練室の破損はやり過ぎだったため、そこで模擬戦は中止させてもらったのだ。ちなみに静止した時、最後に残っていたのは鉄槌の騎士ヴィータだった」
あ、何気にヴィータちゃん、シグナムさん達に勝ったんだ。確かに戦闘領域が狭かったら、シグナムさんより一撃の威力が高い彼女が勝つのもあり得る。まぁ、フィールドが味方したからであって、実力だけで勝ったかと言われると疑問が残るけど。
「そうなんですか……じゃあデータ収集の方は?」
「そっちの処理はつつがなく終わった。ただな、彼女達が想像以上に暴れたおかげで、訓練室の補修に予算と時間を回す必要が出てしまった……。……まったくあいつらと来たら遠慮も無しに殲滅魔法を撃ちまくって……修理代を工面するこっちの身にもなってくれ……」
「なんか……ご愁傷様です」
想定外の出費に艦長として頭を悩ませていたサルタナさんに、及ばずながら励ましの言葉を送る。いつも毅然とした態度で振る舞っているけど、彼も結構苦労しているんだね……。
「ちなみに俺やエレンを始めとしたラジエルの魔導師が使うデバイスは、“裏”を暴いていく俺達を厄介に思う本局があまり予算を回してこない事から出来るだけ費用を抑え、旧式のデバイスやガラクタを寄せ集めて専属のデバイスマイスターによって改造された物が多い」
「が、ガラクタですか……本当に大変なんですね」
「そうだな。ただ、一口にガラクタと言っても上手く組み合わせれば、最新型にも匹敵する性能を発揮できるし、ゴミや廃品も減らせて更にエネルギー節約で環境保護にも貢献できる。これはこれで案外良いモノだぞ」
そうなんだ……というかこのやりくりって、まんまリデュース、リユース、リサイクルの3R政策だね。でもなんか私達でもやれそうな事をサルタナさん達が普段やってると思うと、彼らが一気に身近な存在に感じられた。
「何にせよ、おまえ達のインテリジェントデバイスのような高級品は俺達には手が出せない代物だ。おまえ達にもこれから様々な出来事があるだろうが、とにかく自
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ