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とある科学の粒子計測《インストルメント》
Chapter01『非公式のセカイ』
第一章 開かれる大劇場 An_Encounter_With.
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な学生だぞ!」

 人の話を聞かず拘束した挙げ句、見た目だけで人を不良扱いする少女に怒りを覚えた。必死で誤解を解く方法を考えていたが、どうやら話が通じる相手ではないらしい。
 ────仕方ない。
 そうポツリと呟き、折槻はゆっくりと瞼を閉じた。


「────リロード」


 小さく、そう呟く。
 これは合図であり、相手に対する警告。
 たった四文字の言葉が、折槻が能力者として演算を開始する合図(スイッチ)になる。
 先ずは腕を縛っている手錠を外そう。
 彼が思考した直後、音も立てず両手を繋げていた鉄製の手錠は姿形を消してしまった。これには、先ほどまで悠々としていた風紀委員(ジャッジメント)の少女もたまらず驚愕の声を上げる。
 しかし、そんな声を上げてる間に折槻は強引に背中から少女を押し除けた。そのまま空中に身を投げ出されたが、一瞬だけ彼女の姿が消えると、今度は近場の道に現れて華麗な着地を決めて見せる。おそらくテレポートを使ったのだろう。そんな少女の顔は、驚きという感情の色に埋め尽くされていた。
 特製の手錠が跡形も残さず消滅した。一体、なにをどうすればそんな芸当が成せるのだろう。彼女にはそれを深く分析することは出来ず、能力で何かしたくらいにしか分からなかった。
 疑問符を浮かべる彼女とは裏腹に、折槻は悠々とした面もちで制服に付いた砂利を手で払い落としている。

「ったく、制服が汚れちまったじゃん。いきなり人を押し倒すとか、常盤台にも破天荒な奴がいるんもんだなぁ」

 ある程度払い終えると、顔を背後にいる少女へ向け、


「話せば長くなるから取り敢えずこれだけは言っとくな! さっきも言ったけど誤解なんだよ、じゃ俺は帰るからな!」
「な、お待ちなさい!」


 それだけ言い捨てて街道の向こうへ駆け出した折槻。呆気にとられていた少女だったが、すぐに我を取り戻すと、自らの能力『空間移動(テレポート)』を使い一瞬にして少年の目前に現れる。


「なッ!?」
「お待ちなさいと言ったでしょう。どんな能力を有しているか存じませんが、さっさとお捕まりになってわ?」
「冗談じゃない、濡れ衣で捕まりたくなんかないね!」


 なぜ一日一善をした日に災難にあっているのだろうか。これが神様によるイタズラなら、速攻止めていただきたいと願う。こんなことをされていたら、善意ある行為そのものが消えてしまいそうだ。
 頭の片隅で、もし今度人助けするなんてイベントに遭遇した時はもっと慎重に行動しようと誓う。そんな最中、彼は右足で力強くその場を蹴った。
 途端、少女の足場だけがまるで生き物のように動き出し、コンクリートの円柱となって少女を上へとはこんでいく。
 ほんの一瞬だけ驚いた少女だが、すぐさま能力を使い地面
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