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山本太郎左衛門の話
4部分:第四章
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ようやく一息ついた。見れば障子の向こうがもう白くなっている。
 とりあえず寝ることにした。そしてとりあえずは疲れを癒すことにした。
「疲れていては何もできぬ。まずは休むとしよう」
 そのまま寝転がると暫し眠った。
 日が高くなる頃に目が醒めると何やら騒がしい。表を見てみると何やら人が大勢集まっている。
「どうしたのじゃ」
 平太郎は早速彼等に声をかけた。
「おお稲生様」
 彼等は平太郎の顔を見ると興味ふかげに彼の顔を見た。
「ご気分は如何ですか」
 そして彼に問うてきた。
「気分とな」
 彼はそれを聞き少し面妖そうな顔をした。
「よくはないが」
 やはり化け物や怪異に三日続けて遭うと落ち着いてはいられなかった。だがそれはできるだけ顔には出さなかった。
「何やら色々とおありのようで」
 彼等はどうやらこの屋敷の噂を聞いて来たようだ。興味本位であるのが一目でわかった。
「まあのう」
 彼もそれを否定するつもりはなかった。あっさりとそれを肯定した。
 そして彼等を家の中に入れた。外で話をするのも気が引けたからであった。

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