捜索
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朝食が終えると、俺たちはアリーナに向かっていた。腹ごしらえした後は運動に限る。ジジくさいがなんか体が健康的になっているような気がした。
しかし、健康的なのも良いが俺が何としてもクリアしないといけないのが、セイバーの修行だ。昨日は散々セイバーにボロボロにされたから今日こそは一泡吹かせてやる。そのつもりでいるのだが、あの動きをどう対策するのかが浮かばない。
やはり経験値の差なのだろうか。でなければこんなにも簡単に避けられることもないし、動きが機敏過ぎてついていけない。
どうしたものかと考えていると、アリーナの入り口である用務員室の扉の前に辿り着いてしまった。
グダグダ考えていても仕方ない、と自分で割り切り扉の取っ手に手を掛けた瞬間だった。
パァン!!
「ッ!?」
まるで誰かに叩かれたかのように手が弾かれた。これは…と思いながらセイバーへと視線を向ける。
兜の向こうでどのような表情をしているのか。空気的にセイバーも少し驚いているような気がするが…。
「結界だな。あの小悪党め、やってくれるではないか」
セイバーもこれを仕掛けた相手が分かったようだ。さっきまで候補として上がっていたのだがセイバーの今の一言で確信を持てた。
「慎二……か」
肩に重りを乗せられたかのような気分になった。
なぜ慎二がこんなことをしたのかはなんとなく分かった。言わずもがな俺たちの邪魔をしたいんだろう。どんなことをしているか分からないからとりあえず行動を起こしたというところか……。
「どうするセイバー?」
「この扉を封じたということはその近くに痕跡があるはずだ。それを破壊すればこの忌々しいものは解けるだろう」
解く方法は案外簡単な話だったがここからが問題だった。
「でも、肝心なのがどこにその痕跡があるか……だよな?」
「ああ、その場合はこれを使え」
セイバーはそう言うと、パンッと俺の足を叩いた。
「え?」
この時、セイバーが何を言いたいのかなんとなく察しがついてしまった。
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俺は情報収集をしていた。まず痕跡がどこにあるかまでは分からないので生徒に一人一人話しかけ、慎二がおかしなことをしていなかったかを聞いて回った。しかし有力な手がかりは一向に出てこない。
ちなみに言っておくと教室も1から探している。机の中からロッカーまで念入りに探したが、痕跡どころか形すらない。
作業は急ピッチで行われているとはいえ、これじゃあ効率がわるすぎる。誰かの手を借りたいところだが、ここは皆が敵の戦場だ。手を貸してくれるなんてことはそうそうないだろう。
ハァと溜め息を吐きながら廊下を歩いて行くと気づけば保健
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