第四話
epilogue
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雄々しき弥勒の
世を見たりけり」
それは二人があの時…修と梓の二人と別れる時に、梓が二人へと詠んだ短歌だった。
草原の中、たった二人で旅立つ時に詠んだ歌…。
「弥勒ってさ…確か、釈迦の入滅後五十六億年だかしねぇと来ねぇってんだろ?」
「いや、その力を今見た気がする…そう彼女は言いたかったんだよ。」
「雄君…いつから仏教徒に?」
メフィストは半眼で鈴野夜を見るが、鈴野夜はそれに対して苦笑しつつ返した。
「なってないよ。ただ…彼女にとっては、それ程の救いだったと言うことじゃないかな。」
「ま、いいさ。お前の名前が…今回の対価だからな。」
「そう言うことだ。」
そう言うと、鈴野夜はスッと立ち上がってメフィストに言った。
「さぁてと、そろそろ店に行かないとね。」
「あ…そうだった…。今日は遅番だったっけな…。」
メフィストは嫌そうな顔をするが、鈴野夜はそんな彼に苦笑して手を出した。
メフィストは鈴野夜の手を掴んで立ち上がると、二人はゆっくりと歩き出した。
今は悲しみも喜びも全て、あそこにあるのだ。
- バイバイ…修君、梓ちゃん…。 -
寄り添って今へと歩く二人を、太陽はただ優しく照しているだけであった。
end
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