暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第一二話「本物の地獄に住む狂乱者たち」
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確には、垣根帝督の「優しさ」が表面化した個体であるカブトムシ05は同じように、しかし他の面子よりかは十分に生温い方法で襲いかかってきた連中を撃退していた。──まぁそれすらも、撃退された面々にとっては十分、トラウマものだっただろうが。

「にゃあ?カブトムシさん、どうしたの?」

 彼らを撃退した路地裏から陽の当たる歩道へ出る。そのまま少し歩き図書館へと戻るとどうやらお手洗いに行っていたらしく、友達との席を外していたフレメア=セイヴェルンがこちらに気づき、寄ってきた。

 その顔に少しの不安があることを察知し、カブトムシ05──垣根帝督は笑顔でその不安を和らげることにした。

「いえいえ。なんでもありませんよ」
「そうなの?大丈夫?」
「はい。大丈夫ですよ。だからあなたも、早く友達のところへ戻ったほうがいいです」
「うん。分かった、にゃあ」

 そう言うとテコテコと級友のアズミという少女の元へと戻るフレメア。その背を見送って、垣根は再び外へと出た。

「まったく……図書館ごと駆動鎧で襲おうと準備していた時は流石に驚きましたよ……」

 しかしあのカマキリを模した駆動鎧、どこかで見たことがある気がするのだが──それは今はいいだろう。

 今思考を向けるべきは襲いかかってくる敵に。守るは、あの少女、自分やあの少女がいたいと思う平穏な日常。

 自ら生み出した自分の分身(カブトムシ)たちから入る情報を纏めながら、垣根帝督は歩いて行った。

 学園都市の持つ闇を、何の考えも無しに解体しようとする者たちの、魔手の中へ自ら。





「超すごいパーンチ」
「だからそれはやめプギャァァァァァァ!?」

 またまた同時刻。学園都市のどこかにある公園にて、他のレベル5と同じく削板軍覇も襲撃を受けていた。

 まぁそれは一方通行や垣根帝督を襲った連中とは何の関わりもない、モツ鍋さんもとい内臓殺しの横須賀にだったが。

「ち、ちくしょう……第六位のヤローの仕事中に偶然見つけて、ここであったが100年目って感じでやろうとしたのに……相変わらずの馬鹿だしこいつ」
「お、意識あんのか。やっぱお前根性あるよな」

 既にリベンジマッチは50を越えただろう。前は「すごいパーンチ」一発でビブルチされていた男が数ヶ月で十発まで耐えれるようになり、「超すごいパーンチ」一発で意識が沈んでいたのが数週間くらいで一発くらいなら意識を失わなくなったのは、大した成長といえよう。が、いくら意識があるとはいえ立ち上がれなければ意味がない。

「ほら、手ェ貸すぞ」
「虚しくなるからやめろよって毎回言ってんだろ……」

 口では悪態を付きながらも差し伸べられた手を握るモツ鍋さんもとい横須賀。昔の彼なら手を引っ叩いていただろう
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