暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 24 「夜月家でのある日」
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
はやて? まあはやてにも似た感じはあるけど……あれは夫婦って感じじゃないのよね。距離感も何だか前より離れてる気がするし」
「アリサちゃん、それははやてちゃんが大人になったってことじゃないかな。仲が良いと言ってもショウくんは男の子だもん。昔みたいに引っ付くのは恥ずかしいと思うし」
「……あのお子様だったなのはがこんなことを言う日が来るなんて。時間が経つのって早いわね」

 しみじみと呟くアリサになのはは驚きと怒りが混じったような声でツッコミを入れる。
 これは我の気のせいかも知れないが、なのはは日に日に我と似たような位置に追い込まれていないだろうか。前までは頻繁に大声を出したりはしていなかったと思うのだが。
 そんなこんなしているうちになのは達が来る前に作っておいたチョコレートが出来上がる時間になった。我は皆に一言言ってからキッチンのほうへ向かい、冷蔵庫からチョコレートを取り出して戻る。無事に完成したようで何よりだ。

「これ……ディアーチェちゃんが作ったの?」
「う、うむ」
「何恥ずかしそうにしてるのよ。充分すぎるほどの完成度じゃない」
「うん、私はこんなの作れないよ」

 驚いてくれたり、褒めてくれるのはこちらとしても嬉しく自信に繋がる……のだが、なのはよ、貴様に関しては反応に困るのだが。
 我の記憶が正しければ貴様はパティシエの娘であろう。まあ……パティシエの娘だからといって上手く作れないといけないと言うのはいけないことだろうが。しかし、それでもなのははパティシエの娘なわけで……笑顔で作れないよと言われると複雑にもなる。

「これ食べていいのよね?」
「アリサちゃん、がっつきすぎだよ」
「ふーん、ならすずかは食べたくないのね? すずかの分は私が食べてあげるわ」
「そんなことは言ってないよ。もうアリサちゃんのいじわる!」

 やれやれ、相変わらずこのふたりは仲が良いな。まあなのは達は魔法に関わる道に進もうとしておる。こちらの世界に残るのは5人の中ではこのふたりだけであろう。長年の付き合いもあるのだから強い絆で結ばれておるのは必然か。
 騒ぐふたりを何とか宥め、チョコレートを食べるように勧めた。味見はしているので不味くはないと思うのだが、やはりそれでも不安はある。

「――っ!? ……凄くふんわりしてるというか、優しい味だね」
「そうね。料理の腕前は知ってたけど、お菓子までこのレベルとは……ディアーチェをお嫁さんにできる男は幸せものね」
「な、何を言っておるのだ。べ、別に我くらいのレベルならば作れるものはたくさんおるであろう」

 身近にもショウやシュテルといった我よりも優れたお菓子を作るものはおるのだから。まあ料理に関しては我のほうが勝っている自負はあるが……。

「……ん? なのはよ、あまり食が
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ