暁 〜小説投稿サイト〜
乱世の確率事象改変
幕間  〜幸せを探すツバサ〜
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令は四人で過ごせ、だ。たまには自分も頭をからっぽにしてみようと、彼はふと思った。

「……なぁ、ちょっと贅沢してもいいかな?」
「贅沢? 何よ」

 目を擦りながら子供のような仕草で、彼はポスッとまた寝転がった。

「二度寝させてくれ。せっかくの休みだけど」

 仕事に疲れた父親のような言葉を言い放って目を瞑る。
 目を真ん丸にして、三人は彼を見つめた。こんな事を言い出すことは今までなかったのだ。誰よりも早く起きて何かしら動いていたはずなのだから。

「ちなみに華琳の命令だと四人で過ごさないとダメらしい……ってことでお前さんらも一緒に二度寝してくれ」

 眠いからだろう。昨日のように恥ずかしがることは無い。鈍い頭が、ただ眠りたいと訴えていた。

「えっ、ちょ、ちょっと待って? あんた、ど、どうしたの?」
「眠い。それだけ。あと十五分でいいから」
「十五分って何!?」
「おやすみぃー」
「ちょっと秋斗!?」
「あわわ……で、では私も寝ましゅ」

 構わずに何も答えなくなった彼に対して、雛里だけがくっついた。
 珍しいわがままの類。これから出かけるはずなのだが、それよりも寝たいと彼は言う。予定を決めて進める事を最善と置く秋斗がそんなことを言うなど今までは無かった。
 雛里は別に気にしない。何処にいかずとも、此処で一日中過ごしてもいい気がした。彼の腕の中に潜り込んでまたきゅうと抱きつき、ふにゃりと幼さの残る笑みを浮かべて目を瞑る。

 上半身だけ起こしていた詠は彼を見つめ続ける月を見た。どうしたらいいか分からない。このまま寝てしまおうかと思っても、別にもう眠くは無いのだ。
 そんな詠とは違い、月は穏やかな笑みで雛里と秋斗を眺めていた。雛里が自分で選んで秋斗と共に過ごそうとしているのが、やはり嬉しい。

――良かった……歪んじゃった雛里ちゃんの心は、彼を求める事で戻れたんだ。

 月はこの光景を望んで今まで彼の側に立っていた。次第に寝息を立て始めた彼と雛里を見ると胸の中がじわりと暖かくなった。

――敵わないなぁ……やっぱり。

 そう心で呟いて直ぐに、頬を伝うのは一筋の涙。

「ゆ、月……?」
「……あれ?」

 急いで涙を拭った。もう一つ溢れて来た。だからまた拭った……その暖かくて、冷たい涙を。

「どうして、かな……詠ちゃん。涙、でちゃう」
「うれし涙でしょ。だってほら……雛里がこんなに幸せそうなんだもん」

 苦笑と一緒に、言い聞かせるように詠は言葉を紡いだ。

――あんたって子は……優しすぎるのよ、バカ。

 その内側にあるものをひた隠しながら。

「……うん。嬉しい。だって雛里ちゃんが自分で幸せになろうって決めてくれた」
「でもまだ早いわよ。あの大バ
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