4部分:第四章
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第四章
「行くわよ、いいわね」
「行くわよって。ついて来るんじゃないのかい?」
「そんなことはどうでもいいじゃない」
しかもこう言う始末だった。
「わかったら。いいわね」
「凄く釈然としないけれどいいよ」
いい加減憮然としながらも答えるディアルゴだった。
「それじゃあね。行こうか」
「ええ、それじゃあね」
こうして二人で行くことになった。何日か森の中を進んでそのうえでその山に辿り着いた。山はまさに岩山であり荒涼としそのうえ途方もなく高い。二人はその中に入っていく。
岩山にあるのは道とすら呼べないような道と岩ばかりだった。時折小動物が見える程度だ。ディアルゴはその道を先に進みながらイザベラを見る。すると彼女は。
「全く平気なんだね」
「そうよ」
平然とした顔であった。にこりと微笑んできてさえくる。
「これ位何でもないわ」
「随分きつい道だと思うけれど」
「だから。私だって強くなったのよ」
彼女は彼女でこう言い返してきたのだった。
「私もね。わかる?」
「だから平気だっていうんだね」
「そういうことよ」
やはり平然とした顔で答えてくる。
「こんな岩山幾ら進んでもね」
「そういえばここまでの森の中の魔物だって」
「あんなのもどうってことないわ」
それもなのだった。
「全然ね」
「本当に強くなったんだね」
ディアルゴの言葉は感心半分、呆れが半分だった。
「冗談抜きに」
「あんただってね」
そしてイザベラはイザベラで言い返してきた。
「昔は泣き虫でどうしようもない位弓だって下手だったのに」
「昔は昔だよ」
ディアルゴはイザベラの今の言葉に少しムキになって返した。
「俺だってさ。長い間ずっと弓を持ってきたんだよ。グリフォンやキマイラだって一人でやっつけたことだってあるしさ。ワイバーンだってね」
「それは私だって同じなのよ」
しかしイザベラの方が一枚上手なのだった。
「私だって僧侶としてね」
「そういうことだね」
「そういうこと。わかったわね」
あらためてディアルゴに対して言った言葉だった。
「そのことはね」
「わかったよ。しかしイザベラがいてくれて」
「まだ邪魔だっていうの?」
「いいや、もうそれは言わないから」
それは否定するディアルゴだった。
「助かってるなって思ってさ」
「助かってるのね。私がいて」
「そうだよ。二人でいるとやっぱり楽だね」
言いながら上を見る。そこには頂上があった。シルバーヘッドがいるその頂上がだ。
「これならひょっとして」
「いけるのね」
「ひょっとしたらだけれどね」
こう言いはする。しかしその表情は明るい。
「出来るかも知れないね」
「出来るようにするのよ」
だがイザベラはここで強い言葉を
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