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コンビネーションハンター
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第一章

                 コンビネーションハンター
 ディアルゴは長い間ある獲物を追っていた。それが何かというとこれまたとてつもないものであった。
「あれっ、あんたまだあいつを狙ってるのかい」
「また頑張るねえ」
 たまに街に入ればこう声をかけられる。
「ヒポグリフだったな、確か」
「あんたの獲物は」
「ああ。只のヒポグリフじゃないんだよ」
 その精悍で日に焼けた顔で答える。黒髪は後ろで束ね鋭い目が黒く光っている。眉は太く一文字だ。身体はエルフにしては小柄だが実によく引き締まっている。
「もう何ていうかな。あいつは」
「確かシルバーヘッドだったかい?」
「あれだよね、銀色のヒポグリフかい」
「そうさ、全身が銀色の毛のヒポグリフなんだよ」
 それだというのだ。ヒポグリフとは頭が鷲で身体は前の半分が鷲、後ろの半分が馬となっている。そして大きな鷲の翼を持っているのだ。
「しかも人の言葉も話すんだよ」
「頭もいいんだね」
「随分厄介な獣だね」
「そうさ、しかも強いんだよ」
 ディアルゴはこのことも話した。
「とてもね」
「だからあんた捕まえられないんだね」
「ずっとね」
「いや、絶対に捕まえてみせる」
 彼は強い声で街の者達に言った。
「絶対にな。捕まえてやるぞ」
「じゃあその時を待ってるよ」
「あんたの腕を信じてね」
「俺はハンターだからな」
 これが彼の仕事だった。職業とも言う。生まれてからずっと森の中のエルフの村に住んでいる。そして山で長い間そのシルバーヘッドと戦ってきているのだ。
「絶対に捕まえるさ」
「確かあんたで三代目だったね」
「あいつを狙っている村のハンターは」
「爺さんも親父もあいつを狙っていた」
 ディアルゴはここで遠くを見る目になって街の人達に話した。
「けれど爺さんも親父も結局捕まえられなかった」
「弓に当たらなかったんだね」
「駄目だった。一本もな」
 当たらなかったというのだった。無念さに満ちた声で。
「全然な。当たらなかった」
「確かにヒポグリフって素早いけれどね」
「けれどあんたエルフだよね」
「ああ、そうさ」 
 今度は彼の種族の話になった。そう、彼はエルフなのだ。その尖った耳がそのことを何よりも教えている。目は澄んだ緑で森エルフであることも教えていた。
「エルフっていえば弓だけれどさ」
「それでも駄目なのかい」
「そうなんだよな。三代に渡って駄目だった」
「物凄い奴だね、つくづく」
「しかもだよ」
 街の人達は彼自身についても言った。街の人達は彼と同じエルフだけではない。人間もいればホビットもドワーフもいる。そしてノームや犬人に猫人、竜人にリザードマンもだ。実に様々な種族が共に暮らしている街だった。彼は今その街に
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