第九話「アカシックレコード」
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しまい始めた椿と逢沢霙を尻目に、赤髪の男が自己紹介を始めた。
「クリム=コードネスダイクというものだ。よろしく頼む」
頭を下げる青年を衝撃冷めぬ中で見つめる一同。あの本は何なのか。「アカシックレコード」という言葉の意味を知っている者は真意に辿り着きつつあったが、それでもまだ衝撃は抜けなかった。
この青年の素性なんてどうでも良くなるほどに。
「今回の出来事について、察しがいい奴はすでにあることに気づいていると思う」
「……」
「……」
「まぁ気づいていたとしても、知らない奴には説明しなければならないから、色々と話すがな」
そんな前振りの後、青年による説明が始まったが──半信半疑というよりも疑いの方が圧倒的に多い出鱈目すぎる内容だからか納得するものは3人を除いていなかった。
「多重宇宙というものを知っているか?
この世界以外の無数の世界が存在していて、そこではここでの自分と少し違う自分が存在しているというやつだ。
例えば学園都市に住んでいない上条当麻がいる世界。五河士道が精霊の力を封じ込める力など持っていない世界。桐ヶ谷和人がSAO事件に巻き込まれてない世界。それぞれの性別が違う世界。誰かの年齢がもっと若い世界。逆にもっと年を食った世界。もちろん、お前らがいない世界だってある。まぁ異世界って言われるうちのほとんどが「一人も存在するものが被ることのない世界」だけどな」
一度区切り、話をさらに続ける
「今、お前らがいた世界は無理矢理くっつかされている状態だ。まぁトンネルなんかで無理矢理に「道」が出来たわけじゃないだが……とにかく、ここにいるお前らは本来なら合わない世界の住人同士ってことさ。」
「……ようするに君達はこの世界が私たちがいる世界と異世界だと言っているのかね?」
「少し違うな」
令音の確認に、補足を加えるクリム。
「正確には「融合」したのさ。直接的な原因は色々あるが」
「ん、んなデタラメな話──SAOなんかじゃあるめぇしよ」
大半は納得出来ない。そもそも何を話しているのかさえ理解できない。それは当たり前なのだが、ここにその大半に当てはまらない人物が、少なくとも3人はいる。
「上条当麻。インデックス、オティヌス」
その3人の名前を呼び、クリムはさらに話を続けた。
「お前らは知っているはずだ。この世界とは別に広がる世界のことを。2つの世界を繋ぐトンネルの発生。世界樹に連なる世界に住む者達の会合。この世界とは、理、法則、定説の全てが違う世界が存在し、そこで誰かが生きていることを」
そう。上条たちはこれと類似している出来事を何回か経験している。一つは異世界の池袋との間にできたトンネルにより学園都市
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