第74話 後ろには気をつけよう
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言った事態が頻発し始めているのだ。
「仕方ありませんねぇ。此処は私が直々に背中を掻いて差し上げるとしましょうか」
「先輩は駄目っす! あんたがやったらマジでこの小説に18禁タグがつけられかねないっすからね!」
「何を言うんですかまた子さん! 私は只ちっちゃい娘と触れ合いたいだけなんですよ! まぁ、願わくば色々と触りたいってのも事実なんですけどね」
「尚更ダメに決まってるでしょうが! あんたこれ以上変態発言したら脳天に鉛玉お見舞いするっすからねぇ!」
なのはの後ろにて武智とまた子との相変わらずな口論が勃発しているのはさて置き、今のなのはにとっては背中のかゆみが尋常じゃない位にまでなっていた。正直両手を使って背中を掻きたい位なのだがそんな事をすれば折角張った結界が決壊してしまう事になる。
かと言ってこのまま背中の痒みを放置することは出来そうにない。もう結構痒いのだ。着慣れない服を着たが為に違和感を感じた上に服が擦れてしまい痒みが倍増していると言う次第であった。
つくづく面倒であった。確かに砲弾を防ぐ結界は便利なのだがその為に両手が塞がってしまうのは不便である。何か別の用途はないだろうか?
結界を張りながらなのはは考えた。結界を張りつつ両手を自由にする方法。そもそもこうして展開させている結界の理論すら理解出来ていない現状でそれの応用なんて思いつく筈がない。
かと思われたのだが、案外すんなりと別の案が浮かんだ。
突然何を閃いたのか、なのはは自分が張った結界の中心部分を掴むと、そのまま奥へと引っ張り出したのだ。すると、結界が平面状から円錐状へと形を変えていく。更にその円錐の中心へと吸い込まれていくかの様に放たれた砲弾が中心へと集まっていくのだ。
一体何をするつもりなのか? 疑念に思う一同を他所に、後ろを振り向いたなのはが突如として笑みを浮かべた。何やら企んでいる笑みであった。
そして、その企みは直ちに実行された。
さっきまで掴んでいた結界を主室に放したのだ。輪ゴムを限界まで引っ張り、それを話すと反動で飛んでいく理論である。それと同様に限界まで引っ張った結界の中心を突如放した影響により結界が反動で押し戻されたのだ。そして、その際に中心に溜まっていた大量の砲弾が押し戻される形で辺り一面に飛んで行く。結界の強度と張力が加わり放たれた砲弾は正に弾道ミサイル並みの速度で放ったであろう者達の居る船へと叩きつけられたのであった。
忽ち敵の軍艦から黒煙が立ち上る。予期せぬ襲撃を受けて敵側は大慌てである。
これぞ正に予想だにしない痛恨の一撃であった。
「うっわ、あんな使い方とかあるんすねぇ」
「素晴らしいですねぇ。あの力もそうですが彼女の発想の転換もまた素晴らしい。頭の固い人間にはまず出来ない発想でしょうね」
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