6部分：第六章
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第六章
「同じですから。だからこそ」
「お声をかけて下さったのです」
「そうなのか」
ヘパイストスは彼等の言葉にまた動きを止めたのだった。
「私は。だから」
「はい。ですから私達もここに来ました」
「それに応える為に」
「そうか」
ここで彼はやっと声を確かなものにさせた。それはまるで曇っていた空が晴れるかのようであった。淀んだ灰から美しい青になるように。
「それでは私も言おう」
「はい」
「何でしょうか」
「そなた達がはじめてだった」
こうキュクロプス達に告げたのだった。
「ここに来てくれた者はな」
「そうだったのですか」
「誰も来なかった」
顔はまた俯いてしまった。
「誰も。今までは」
「・・・・・・・・・」
「私は醜い」
このことはどうしても離れない。
「醜い者に声をかける者はいない。だからだ」
「それでだったのですか」
「だから誰も来なかった」
彼はまた言った。
「しかしそなた達は来てくれた」
「私達はですか」
「そうだ。来てくれた」
今度はキュクロプス達を見ていた。その一つ目を。
「私のところにな。それはそなた達がはじめてだったのだ」
そしてさらに言うのだった。
「私のことを知ってくれたのもな」
「知ったのもですか」
「それでだ」
さらに彼等を見ての言葉だった。
「ここに来てくれたそなた達を知りたい」
「我々を！？」
「そうだ。だから」
そして次の言葉は。
「ここにいてくれるか」
自分からの言葉であった。
「私と共にここに。いいか」
「はい、無論です」
「その為にここに参ったのですから」
彼等に異存なぞあろう筈がなかった。進んで彼に述べたのであった。
「ですからそれならば是非」
「御願いします」
片膝をついてまでの言葉であった。
「どうか我等をヘパイストス様のお側に」
「置いて下さい」
「済まない」
ここでようやく微笑むヘパイストスだった。
「それではだ。私とそなた達はこれから」
「はい、永遠に」
「この宮殿に留まり」
お互いに言い合うのだった。
「そうしてあらゆるものを作っていきましょう」
「この腕で」
「それだけではない」
ヘパイストスはさらに彼等に言ってきた。既に彼はキュクロプス達の前に立ち彼等はその前に片膝をついたままだ。完全に主従の絆ができていた。
「我等はまだ互いをよく知っているとは言えない」
「それは」
「まだだ」
キュクロプス達の言葉に対して首を横に振る。
「まだ完全に知り合ったとは言えない。むしろ知ろうと思い立ったばかりだ」
「まだそれだけですか」
「そうだ。だからだ」
そしてまた言うのだった。
「これから。それを深めていく為にもだ」
「ここで共にい
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