4部分:第四章
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「しかもヘラ様との間の御子様だといのに」
「何故あそこまで寂しい方なのだ?」
このことも言い合うのだった。
「わからん。ゼウス様とヘラ様との間の御子息なのに」
「どうしてあそこまで」
彼等にはそれがわからなかった。だが暫くしてからだ。彼等の耳にそのヘパイストスに関する話が届いたのか。
「そうか。あのお姿故にか」
「それでか」
ヘパイストスの容姿のことは彼等も見ていた。どう見てもいいとは言えない。
「それ故にああして孤独であられるのか」
「そしてそのお姿故に」
次に話すのはまた別のことに関するものだった。
「ヘラ様に天から投げ落とされ」
「実に母上に」
「そうして御脚を傷められたのか」
それ故であった。彼はその姿故に実の母にまで疎まれ今も寂しい思いをしているのだった。キュクロプスは彼のことを知るにつれ次第に自分達のことも思うのだった。
「ならばそれでは」
「我等と同じなのだな」
「そうだな」
彼と自分達を重ね合わせて考えるようになっていた。
「あの方と我々は」
「同じだ」
「だから声をかけてこられたのか」
あの時どうして自分達のところに来たのかもわかったのだった。
「我等の前に」
「同じだから」
「我等は醜い」
そしてまた自分達のその一つ目の容姿のことを考えた。これはもうどうしようもなかった。その真の姿はどんな術でも変えようがなかった。
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