3部分:第三章
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ばだ」
「はあ」
彼等は少しぼうっとした様子でゼウスの言葉を聞いた。ゼウスは自分から言ってきた。
「そなた達は今後自らのしたい仕事をするといい」
「仕事をですか」
「そなた達は我等に勝利をもたらす武器を与えてくれた」
その雷であり鉾であり兜である。
「その腕は確かだ。だから」
「だから?」
「それを振るえる状況になればいいがな」
「その腕を振るえるですか」
「そうだ」
ゼウスはこう彼等に言うのだった。
「そういうふうなな」
「そこまではまだわかりません」
キュクロプスは今はこうゼウスに答えるしかできなかった。
「我々は今はこの日の下にいられるだけで満足ですし」
「それに」
「それに?」
「この姿です」
ここぜゼウスに自分達の姿についても言及するのだった。
「この姿。この一つ目しかない姿」
「我々の姿は醜いものです」
だからこそ幽閉されていた。それはよくわかっていた。
「この醜い我々を求めている方なぞいるとは思えませんが」
「それでも」
「若しそういう方がおられれば」
それぞれゼウスに言うのだった。
「別ですが。しかし」
「今はただ日の下にいられればそれで満足です」
「そうか」
ゼウスもここまで聞いては受けるしかなかった。
「では。今はそうして休むがいい」
「はい」
ゼウスの言葉を頭を垂れてそれぞれ受けた。
「申し訳ありませんが今は」
「そうして下さい」
こうして彼等は今はただ日の下にいるだけだった。こうして暫くは無為に時間を過ごした。だがある時だった。彼の前に一人の男が姿を現わした。
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