八十五 木ノ葉五人衆
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るじゃない……ッ」
「――どういう意味だ?」
いのの不可解な発言に、すぐさま対応出来たのはシカマルだった。
敵の様子を窺えば、まだ此方には気づいていないようだ。それに安堵しつつ、数を数える。
どう見ても、キバの言う通り、四人しかいない。それなのに、いのは五人いると言う。
「いの、どういう意味だ?」
再度言葉の意味を問えば、いのも動揺していたのであろう。一度深呼吸してから、順を追って説明し始める。
しかしながらその間も、いのの視線は目の前にいる音忍四人を捉えていた。
「…私の能力は知ってるわよね?」
山中一族に伝わる忍術【心転身の術】。
敵や動物の心に入り込み、その身体を意のままに操る――要は相手の精神を乗っ取る術である。
「それがどうした?」
「これでも一応、修行してる身よ?身体を乗っ取る前に、相手の精神に触れる事ぐらいは多少なりとも出来るわ……まぁ、今みたいに相手の姿が見える程度は近づかないと無理だけど」
ネジのもっともな質問に、いのは聊か得意気に答えた。直後、顔を曇らせる。
「だから、わかったのよ…今、私達が眼にしている敵の数は四人。だけど、精神を探れば、五人いるの」
「……つまり、身体は四人なのに精神が五つあるって事か?」
いのの説明を補うように、シカマルが簡潔的に述べた。重々しく頷いた彼女の隣で、ナルとキバは揃ってぽかんと頭に疑問符を浮かべている。
未だよく理解出来ていない二人を見兼ねて、ネジも要点を補足した。
「要するに、五つの心を感じ取れるってわけだな」
一人の人間は一つの精神即ち心を持っている。だからこの場にいる敵の人間が四人ならば、四つの精神をいのは感じ取れるはずだ。
だが、実際に感じ取れるのは五つの精神。いのが動揺するのも無理はない。
「えーっと…それってば、もしかしたらもう一人、姿の見えない敵が隠れてるかもしれないってことだってば?」
ようやく頭に理解が追いついたナルがおずおずと訊ねる。その問いに、シカマルは即座に答えられなかった。
何故なら彼は唯一、綱手から敵の数を伝え聞いている。
視線の先にいるのは、四人の少年。その内の一人は中忍試験に参加していた君麻呂である。
加えて、キバの嗅覚が正しければ、現在サスケと共にいるのは多由也のはずだ。
(…情報漏れか?それとも、)
「そうだな。俺の眼にも捉えられない敵が潜んでいる可能性も考え得る」
考え込むシカマルの代わりに、ネジが答える。【白眼】でさえも、やはり視界に映るのは音忍四人。
厳しい眼差しで敵を睨みながら、ネジは仲間に注意を呼び掛けた。
「視えない敵となると、何処から攻撃がくるかわからない。気をつけろ」
「
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