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第一章
キュクロプス
自分達は神だ。それは間違いない。
しかしだった。生れ落ちた彼等を待っていたのは神として相応しい賞賛ではなかった。むしろそれとは全く正反対のことであった。
「忌まわしい」
父神が最初に言った。
「何と忌まわしい。一つ目で醜いことこの上ない」
この言葉で自分達が目が一つしかないことを知ったのだった。他の神々はその目は二つずつあるというのにだ。自分達は一つ目であった。
「この者達は地の奥底深くにやれ」
父神は次にこう周りの者に告げた。
「そして永遠に日の当たる場所に出すな。いいな」
最後にこう言いそのまま彼等を地の奥底に追いやってしまった。それから彼等は長きに渡ってその暗い地の底で暮らした。どれだけ暮らしたかわからない。当然外の世界のことなぞ知る由もない。彼等は彼等だけで集まりそうしてその日の光のささない世界で言い合うのだった。
「我々は醜いと言われた」
「そうだな」
「醜いからこの暗闇の中に投げ込まれた」
「そうして出されることはない」
こう話をするのだった。
「これが我々の運命なのか」
「醜いから。目が一つしかないから」
目が一つしかないことは彼等もよくわかっていた。他の者達の目が二つある場所の中央にその大きな一つ目がある。それだけなのだ。
「だからここに追いやられた」
「そして出されることはない」
そのことを闇の中で言い合う。
「出たい」
「外に出たい」
いつも次にこう思うのだった。
「そして日の光を見たい」
「我々も日の光を見たい」
そして口々に言う。
「醜いから追いやられるなぞ」
「我等が何をしたというのだ」
嘆きつつ暮らしていた。誰も来ることはなくその中で彼等だけで生きていた。彼等は醜いことを嘆いていた。だが生きていた。そして生きる中で暗闇の中で様々な知恵を身に付けそのうえで暗闇の地の底を飾るようにはなっていた。ならざるを得なかったと言うべきか。
光は偶然闇の中で見つけた苔から知りそれを自分達から生み出せるようになった。他の様々な身の回りのものもだ。彼等は自分達でそういったものを作り生きるようになっていた。とりあえず生きられてはいた。
だが地の底から出されることはなかった。やはり長きに渡ってその中でいた。しかしであった。ある日のこと。不意に苔や自分達が作り出したものとは全く違う光が彼等の世界に差し込めてきたのだった。
「キュクロプス達よ」
「んっ!?」
「キュクロプス!?」
彼等はその言葉を聞いてまずはそれが何かと思った。
「何だ、それは」
「何なのだ?」
「そなた達の名前だ」
眩い光と共に入って来た男が言う。それは若く逞しい顔をした男だった。
「我が名はゼウス」
「ゼ
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