5部分:第五章
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そうしたいから」
「そうしたいからって」
「それだけだから。それよりもそれでいいよね」
また逆に江美に問うてきたのだった。
「行き帰りもずっと一緒で」
「それはわかってるわよ」
憮然として答えはする江美だった。
「それはね。それじゃあ」
「有り難う。じゃあこれからもずっと一緒だよ」
「全く。妖怪が本当にいたし」
またそのすねこすり達を見る。彼等は何でもないように相変わらず二人の足元にまとわりついてきていて草を食べ続けているのだった。
「牧男君と行き帰りも一緒だし」
「そう?僕は凄く満足してるよ」
相変わらず陽気に笑っている牧男だった。
「江美ちゃんと一緒にいられるんだから」
「まあいいわ」
江美はまだ気付かないがそれでも言いはした。
「一緒でね。いいわ」
「有り難う」
最後に微笑む牧男だった。二人はそのまま二人で歩きはじめた。江美はまだ気付いていないがそれでも牧男が握ってきた自分の手から伝わる感触を感じ取っていた。足元にはすねこすりのまとわりつくものを。そうしたものを感じながらそのうえで二人で歩きはじめたのだった。
足元 完
2009・5・30
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