第百四十五話 漆黒の竜人の気持ち
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グモンXの言葉に自分は疑問符を浮かべた。
アグモンX『何か、僕の構成データに異変が起きたらしくてね。僕のようにグレイモンの特徴を持ったアグモンはいないんだ。ほら』
確かに尾にはグレイモンの特徴が出ている。
スバル『お兄さんにも聞いたけどアグモンみたいなアグモンはいないんだって』
アグモンX『うん、だから僕は世界でたった1体の異物なのかもね…とにかく、君と話したくてさ』
突然変異でアグモンであってアグモンではない存在。
何故そんな柔らかい表情で言えるアグモンXに自分は不思議でならなかった。
それを知りたくて少しだけ問い掛けたくなった。
“心とは何だ?何処にあるのか”と。
アグモンX『心?ここかな?ここかもしんないけど…やっぱりここかな……いやここかも……。……。ごめん、僕にはよく分かんないよ、心がどこにあるかなんて…』
スバル『ん〜?ギン姉、心って何処にあるのかな?』
ギンガ『多分胸の辺りじゃないかなあ?』
普通の生き物である彼らにも分からないこと。
もしかしたら本当にこれは錯覚なのかと思い始めた時。
アグモンX『それは違う!!誰かを想い合ったり、信じ合ったり、そんな気持ちが錯覚なんて絶対にない!!』
ならば、もう一度尋ねた。
心は何のためにあるのか。
スバル『えっと、それは…』
ギンガ『嬉しかったり楽しかったり辛かったり…色んな気持ちになるため…かな?』
自分は無機物から造られた。
そんな自分に何故心があるのだろうか?
クイント『あるから…じゃないかしら?』
スバル、ギンガ『『お母さん!!』』
トレーに山盛りの食事を載せたギンガとスバルの母親のクイントがトレーをアグモンXに預けた。
クイント『そういうのは理屈じゃないの。心があるならある。それでいいんじゃないかしら?』
心があって何が得られる?
こんな虚しいと感じる物。
こんな物、自分は欲しくなかった。
そう言い放った時。
ギンガ『そんなこと言っちゃ駄目だよ!!心が欲しくないなんて言っちゃ駄目!!』
目に涙を溜めながら叫ぶギンガに自分の胸に深い痛みが走るのを感じた。
クイント『……ねえ、クロアグモン?あなたは自分をどう思っているの?何がしたいの?』
脳裏を過ぎるのは、パイルドラモンとの戦闘。
他の戦いは虚しく感じたが、奴との戦いは違った。
相手はマンモンと同じく完全体ではあるが、それを補って余りある戦闘センス。
最後の最後まで何を仕出かすか分からない圧倒的な迫力がある。
そして戦いを終えた時の充足感は他の奴では味わえない。
“強い相手と戦いたい。そして勝ちたい”
そう答えた自分にクイントは笑みを浮かべた。
クイント『そう、それ
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