1部分:第一章
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絶対に違うよ」
「違うっていうのね」
「大体さ。猫って皆の家にそれぞれいるじゃない」
「ええ」
猫は家につくものである。それなら家とその周りを歩き回るのが普通である。そこが縄張りになる。縄張りを離れて生きる猫はいないのだ。
「けれどさ。足元にまとわりつくのって村全体じゃない」
「猫って村全体にいるじゃない」
「村の外れにも?」
男の子はまた女の子に言い返す。今度はこのことだった。
「いるっていうの?それじゃあ」
「それは」
女の子もこう言われると戸惑ってしまった。
「野良猫とか野良犬は見つかったら」
「全部村長さんのところに連れて行くじゃない」
「それはそうだけれど」
そうしてそのうえで村長の家の犬や猫となるのである。この村の村長は無類の動物好きであり野良犬や野良猫を放っておけないのである。
「じゃあ」
「そうさ。野良猫でもないよ」
男の子はまた断言した。
「だからだよ。間違いなく妖怪だよ」
「そのすねこすりだっていうのね」
「そういうこと」
男の子の断言は続く。
「間違いないよ」
「そうかしら」
だが女の子はそれでも疑問の言葉を出すのであった。
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