もう一つの運命編
第5話 舞と貴虎と白い王妃
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か《・》った。
「人が一人でできることには限界がある」
少し離れた位置に座って岩壁にもたれていた貴虎が、呟いた。
これまた、舞にかけられた言葉なのだと気づくまで、少しの時間を置いた。
「だから手を取り合い、協力する。君と君の仲間もそうだったんだろう?」
「それは……はい」
「私にはそんな仲間はいなかった。だが、君は大丈夫だろう」
「いなかった?」
「いや。俺がいたと思い込んでいただけで、実際は、あいつらにとっては俺は仲間でも何でもなかったんだ。だからこの有様でこんなとこにいる」
「――けれどまだあなたはその“仲間”を信じている」
王妃が見てきたかのように口にした。これに対し、貴虎は無言だった。
「わたくしたちも、かつてはあなた方のように思いやったり悩んだりした種族だったのに。どこでこうなってしまったのでしょうね――」
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