1部分:第一章
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ウンムシが出るところになると」
「変わるのだな」
「はい、それはそろそろです」
彼等はこう為朝に言ってきた。船を漕ぎながら。
「この辺りに出ます」
「近付いて来ると」
その言葉が言い終わるか終わらないかのうちに。それまで晴れ渡っていた青い空が瞬く間に消えて黒く重い空になった。海も青から黒に色を変え波も荒くなった。明らかに異変が近付いていた。
「言っている側からか」
「来ました、これが」
「ウンムシが来た証拠なのだな」
「はい、為朝様」
彼等は怯えながら為朝に告げる。
「その通りです」
「御気をつけよ」
「来たか、いよいよ」
だが彼は恐れてはいなかった。むしろその逆でいきり立ち弓を構えた。そうして船の頭に仁王立ちしてそのウンムシを待ち構えるのであった。
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