第六幕その六
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「私達みたいに動けるけれど」
「それでもなんだね」
「先生は無理ね」
屋根や壁の上を走ることはです。
「絶対にね」
「走ることさえ苦手だよ」
先生はお静さんに笑って返しました。
「それでどうしてね」
「私達みたいに動けるか」
「それは無理だよ」
こう言うのでした。
「とてもね」
「そうよね、やっぱり」
「うん、それでだけれど」
「それで?」
「これから彼の学校に行くから」
「学校の場所は知ってるわよね」
「うん、地図があるよ」
先生はその地図を出してお静さんに応えました。
「ここにね」
「じゃあお任せするわね」
お静さんは先生だけでなく動物の皆も見て言いました。
「あの子のことも」
「うん、じゃあね」
「任せてね」
動物の皆も笑顔で応えます。
「先生方向音痴だけれどね」
「僕達がいるからね」
「大丈夫だよ」
「そこまで行くことが出来るよ」
こうお話するのでした、そして。
お静さんは先生にです、あらためて言いました。
「じゃあ私はね」
「今はだね」
「ええ、お店に戻らせてもらうわ」
こう先生に言うのでした。
「それでお店の番するから」
「それじゃあね」
「いや、私これでもお店の看板猫なのよ」
「人気があるんだね」
「お客さんからね。ただね」
ここで、です。こんなことも言うお静さんでした。
「悪ガキは嫌いよ」
「ああ、子供は猫にちょっかいかけるからね」
「そう、昔からそうした悪ガキがいるけれど」
「それでもだね」
「そんな悪ガキはちょっと力を使ってね」
そうしてというのです。
「懲らしめてるのよ」
「やり過ぎていないよね」
「ちょっとこかしたり犬や猫のうんこをお饅頭と言って食べさせてやるだけよ」
そうしたことをしているだけだけだというのです。
「それ位よ」
「いや、うんこはね」
「駄目かしら」
「やり過ぎだよ」
「相当な悪ガキにしかしてないわよ」
「相当な?」
「そう、とんでもない悪戯をするね」
そうしたことをする様なというのです。
「悪ガキにしかしてないわよ」
「そうなんだ」
「世の中悪い奴がいるから」
それで、とも言うのでした。
「そんな奴にはそこまでしないとね」
「あえてそうしているんだね」
「そうよ、猫を虐待する奴は許さないから」
猫としての言葉でした。
「そうしたこともするのよ」
「そうそう、いるんだよね」
ここでジップも言うのでした。
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