1部分:第一章
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よ」
まだ言う定文だった。最早話のペースは完全に昌信のものだった。彼はそれについているだけといった状況になっていた。
「アフリカに行くには」
「だから。それも大丈夫なんだって」
「どうしてなんだよ」
「ほら、高等部の美作先生」
「美作先生!?」
「今度アフリカ行くんだよ」
このことを定文に話してきた。
「アフリカにね」
「っていうと中央アフリカに?」
「そうだよ。夏休みにね」
「夏休みにかい」
「お金はいらないらしいし」
残る最大の問題は定文が言う前に解決してしまった。
「だからさ。行こうよ」
「美作先生、何でまた中央アフリカなんかに」
定文はそれが不思議でなかった。首を捻りながら述べるのだった。同時に腕を組んでもいる。深く考える仕草である。
「行くんだろう」
「あの先生の専門ってアフリカの地理学らしいし」
「アフリカの!?」
「そこで宝石を集めたりもしているんだってさ」
このことも定文にとって意外なことだった。
「その宝石を奥さんにあげて結婚指輪にしたらしいし」
「何気以上に凄い話なんだけれど」
「とにかくさ。行くよね」
もう半分以上話が決まってしまっていた。なおまだ定文は一言も答えてはいない。その前に昌信が一人で決まってしまっていた。
「中央アフリカに。夏休みに」
「アフリカかあ」
あらためてそのことについて考える定文だった。
「何かなあ」
「アフリカが嫌なの?」
「っていうかオシツオサレツだよね」
「うん」
行く目的は変わらない。やはりそれである。
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