もう一つの運命編
第3話 助け出すためには
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じゃない、かと、思います。さっきの話だと、裕也さんはインベス化したところを、碧沙から作った、ええっと、免疫血清? で治ったって、言ってましたから」
「つまりはタワーに行ってワクチンなり血清なり、ヘルヘイム抗体関連のクスリ見つけなきゃなんねえ、と」
「血清の投与を受けた裕也さんならご存じじゃないかしら。抗体から作った免疫血清のある場所」
「となると、いよいよ俺らもあいつらに合流かあ」
「やっぱり、気が進みません?」
ガレージには城乃内がいる。かつて初瀬を手酷く裏切った城乃内が。
「いや。ここで俺の好き嫌い優先してる余裕ねえだろ」
巴は眉をひそめた。それは好き嫌いの問題ではない、と言いたかった。
(だって亮二さん、こんなに心臓の音が速いじゃないですか)
巴は他人に裏切られた経験がない。それでも、信じていた人が、本当は信じられない人だったと知った時のショックを想像することはできたし、そのショックがトラウマになることがあるのも知っていた。
巴はずっと初瀬の胸板に預けていた背中を離し、正面からぴとっと初瀬に身を寄せた。
「と、も?」
「大丈夫です。亮二さんはわたしが守ります。例え誰が相手でも」
反応を待って動かずにいた。
それなりに長い間を置いて、頭を大きな掌に引き寄せられた。
巴は抵抗せず、初瀬にされるがままに任せた。
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