4部分:第四章
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第四章
「行こう。私を救ってくれるその者の前に」
「はい、参りましょう」
「是非」
こうして彼等は先に進むのだった。やがて高い石の城壁に囲まれた立派な街が見えてきた。その美しい街こそがアテネであった。
彼等はアテネに入るとすぐにテーセウスの前に案内された。テーセウスは逞しい身体に引き締まり整った顔をしている美男子だった。背は高く威風堂々としていた。
その彼はエディプスを見てまず。にこりと笑って述べたのだった。
「よく来られました」
「はい」
エディプスは彼は見えなかったがそれでも顔を向けて応えた。
「はじめまして」
「貴方のお話は聞いています」
テーセウスは娘達に左右から守られている彼に対して告げた。
「本当によくぞここに」
「私は」
「そして貴方は運がいい」
今度は微笑んで述べたテーセウスだった。
「まことに」
「運がいいとは」
「今アスクレピオスがアテネに来ていまして」
「アスクレピオスというと」
「やはり御存知でしたか」
エディプスの今の言葉からそれを察したテーセウスだった。
「貴殿も」
「はい。名前だけは」
エディプスはこうテーセウスに返した。
「聞いたことがあります。何でも治せないものはないとか」
「そうです。死者さえも蘇らせてしまいます」
それ程までだというのである。
「あの者なら貴方の目も治せましょう」
「そうですか」
「ではアテナ様の仰ったことは」
「やはり」
ここで娘達はわかったのだった。
「御父様は救われる」
「アスクレピオス様の御力で」
「すぐに呼びましょう」
テーセウスの決断と行動は早かった。
「そしてすぐに貴方の目を」
「有り難き御言葉」
エディプスはテーセウスの言葉を聞きながら言った。今は目はなく涙を流せなくとも。それでも声で感激の涙を流して言うのだった。
「まことに。何と言っていいか」
「何、私が行うのではありません」
しかしテーセウスはエディプスのその言葉に笑って返した。
「ですからまずは彼を呼んできますので」
「はい」
間も無くしてそのアスクレピオスが連れられてきた。極めて穏やかで優しい顔立ちをしている。髭は濃くそれが彼を知的に見せていた。その彼が来たのだった。
「それではアスクレピオスよ」
「はい」
テーセウスの言葉に応えて顔を向けていた。
「エディプス殿の目だが」
「お任せ下さい」
穏やかな声で返すのだった。
「すぐになおしてしまいます」
「では頼むぞ」
「わかりました」
こうして彼はすぐにある薬草と水の様なものを取り出してきた。そうしてそれをエディプスの目に当てそのうえで塗った。すると忽ちのうちにだった。
「そんな・・・・・・」
「それだけで」
娘達は今自分達
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