第二章
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「呼ぶんだよ」
「うん、わかったよ」
「じゃあ黒バットに襲われたら」
「その時はね」
「僕達黄金バット呼ぶよ」
「そうするよ」
子供達はこう皆に言ったのでした、お婆ちゃんはその子供達におまけとして飴玉をもう一個あげたのでした。
そのお話の夜です、子供達は塾の帰りにです。
今度は自分達の間で黄金バットと黒バットのお話をしたのでした。
「黄金バット来てくれるのかな」
「若し黒バットが出て来たら」
「それで僕達に襲い掛かって来たら」
「その時は」
「そうしてくれたらいいけれど」
子供達にとっては切実な問題です。
「けれどね」
「若し来てくれなかったら」
「怖いよね」
「僕達黒バットに殺される?」
「食べられちゃうのかな」
「何でもね」
子供の一人が言うことはといいますと。
「黒バットって物凄く悪い奴みたいだよ」
「そんなに?」
「そんなに悪い奴なの?黒バットって」
「夜に子供達を見付けたらね」
そうしたらというのです。
「攫って何処か遠くの洞窟に閉じ込めたりするらしいよ」
「えっ、何処!?」
「何処の国になの?」
「北朝鮮じゃないかな」
子供達にもよく思われていない国みたいです。
「あの国にね」
「ああ、あの国人攫うんだよね」
「覚醒剤も売ってるよね」
「それで悪い将軍様がいて」
「それで自分だけ贅沢してるんだよね」
子供達はその国のお話もしました。
「自分に反対する人は刑務所か何処かに放り込んで」
「すぐに怖い警察が来て逮捕されるんだよね」
「もうずっと見張ってて」
「それで死刑にされるんだよね」
「それでその国にね」
黒バットが、というのです。
「攫った子供達を連れて行くみたいだよ」
「そんなの嫌だよね」
「絶対にね」
「僕あんな国に行きたくないよ」
「僕もだよ」
「何があっても嫌だよ」
こうそれぞれ言うのでした。
「あんな国に連れて行かれるなんて」
「あの国食べるものもないんだよね」
「何もないらしいよ」
「おもちゃだってゲームだって」
「学校の先生はすぐに殴ったり蹴ったりするらしいよ」
こうしたこともお話されました。
「棒で殴ったりね」
「そんな国嫌だよ」
「本当にね」
「黒バットって怖いね」
「僕達をそんな国に連れて行くなんて」
何処かから出て来た噂話ですが子供達は真剣に怖がっています、そうしたお話をしていると自然に、でした。
皆は周りを警戒しました。特に。
ビルの上を見ました、黒バットもそこから出て来ると言われているからです。
「いないよね」
「うん、いないよ」
「黒バットいないよ」
「ビルの上にはね」
「周りにもいないよ」
「マンホールから出て来ないよね」
ビルの上以外の場所も
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