暁 〜小説投稿サイト〜
結局のところ俺の青春ラブコメはまちがっている
こうして鷹巣隆也の間違った青春が幕を開ける
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い理不尽だ。あれのせいでバイト止めちゃったんだよなぁ。

「何処を見ている?まったく、君を見ているとつくづく比企谷(ひきがや)に似ていると感じるよ」

 先生は虚空を見つめる俺に対して新しい人物の名前を出した。「比企谷」この名前には聞き覚えがある。たしか今年度から同じクラスになった人物に比企谷小町という人物がいたはずだ。その人物と俺が似ているというのか?
 俺が頭の中に浮かんだ疑問を尋ねることにした。

「その比企谷って生徒は2年F組の比企谷小町さんの事ですか?」

 俺の質問に平塚先生は意表を突かれたような顔をする。

「いや、そういうわけでは無いのだが、彼女はその比企谷の妹だ」

 先生の話を聞いて俺は一つの疑問が解け納得する。妹だとすれば同じ名字なのは当たり前だし家が近いなら同じ学校に通ってても不思議ではない。その比企谷とかいう生徒は平塚先生の教え子か何かだったのだろう。ここで残る疑問はもう一つだ。

「その比企谷って人と俺が似ているってのはどういうことですか?」

 俺の質問に先生は昔を思い返すように空を見つめた。まるで遠い昔を見つめるように。
 先生はふと我に返ると何事も無かったかのように俺を見た。

「君が気にするような事ではないよ。それよりも君に聞きたいことがある」

 先生はそう言って僅かな間を置き試すような顔で尋ねてきた。

「鷹巣!君にとっての青春とは何だ?」

 先生の質問に少しの間答えを考える。数十秒くらい考えていると答えが浮かんできた。

「『嘘』ですかね」

 律儀に無言で待っててくれた平塚先生は俺の答えを聞いて「フッ」と微笑んだ。

「とにかく、君には矯正が必要だとの上からのお達しだ。よって君には奉仕部への入部を命ずる。異論反論抗議口答え一切受け付けないわかったか?」

「いや、ちょっ――」

 平塚先生があまりにも流れるように言うものだから待ってくれと右手を前に出した。それをどう受け取ったのか先生は差し出された俺の右手首をがっちり掴むと人当たりのいい笑顔で俺を見つめた。嫌な予感しかしねぇ。

「さぁ、行こうか。私が案内してやろう」

「先生。それは案内では無く連行と言うのでは?」

「気にするな!私はこうやって君と手を繋いでいたいのだよ。行くぞ!」

 平塚先生は笑って言うと俺を無理矢理引っ張ったまま職員室を後にした。
 まぁ美人の先生に手を繋いでいたいなんて言われて悪い気はしない。けど一つ不満があるとすれば握る手の力強すぎやしませんかね?
 少しくらい抵抗してやろうと思ったんだけどあら不思議、先生の掴む腕の力が強すぎてまったくほどける気がしない。俺は不安と絶望とで胸を一杯にしながらずるずると引っ張られた。
 俺の平穏な学校生活がぁ
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