第4章 戦争と平和
第37話 攻めの白龍皇と受けの赤龍帝
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ているのがわかる。
なんだ、俺だけじゃないのか、と思ったとたん、気持ちが楽になった。
ちなみに、ギャスパーは段ボールで待機しているらしい。まあ、あの様子じゃ無理だな。
既に自己紹介は済んでいる。
こちらを落ち着かせるためか、若干の雑談を挟んだ後、本格的な話し合いが始まった。
八神家の面々も本当は呼びたかったらしいが、断られたことと、神の不在を知らないことからこの場には呼べなかった。
思考をそらしている間にも、会議は順調に進んでいるようだ。
ときおり、アザゼルが悪ふざけをして場の空気を凍らせているようだが、わざとやっているようにも見えた。
つかみどころのないおっさんだな、と思う。どおりで警戒されるわけだ。
そして、コカビエル襲撃の件になった。
当事者として、部長と朱乃先輩とソーナ会長が説明しなければならない。
自分の発言が三大勢力の行方を左右するかもしれない、と考えているのだろう。
端から見てもがちがちに緊張しているのが分かるが、俺にはどうしようもできない。
心の中でがんばって、と応援することにする。
「まず、聖剣奪還のため、紫藤イリナとゼノヴィアに接触しました。その後――」
部長が、事件のあらましを答えていく。
ところどころで、朱乃やソーナが口を挟み、特に支障なく報告が終わった。
ミカエルたちを見ると難しい顔をしている。とくに、アザゼルは顕著だ。
「何の鍛錬も受けていない一般人が、赤龍帝に目覚め、ひと月もせずに、ライザー・フェニックスと互角に戦ったのは、本当か?」
「本当だよ、アザゼル。惜しくも敗れたが力量はほぼ互角だった」
「じゃあ聞くが、そのライザーとやらは聖書に出てくるほどの古強者であるコカビエルよりも強いのか?」
「それはないね。コカビエルの方がずっと力量は上だろう」
アザゼルの問にサーゼクスが答えていく。
赤龍帝、つまり俺のことについて言葉が交わされることで、緊張がぶり返してきた。
「待ってください。ただの一般人だった赤龍帝が、たった数か月の鍛錬でコカビエルを一対一で破ったというのですか!?」
「その通りだ、ミカエル。僕自信驚いているよ。そのおかげでリアスが無事だったのだから、文句はないけれどね」
「堕天使総督として言っておく。コカビエルは強い。歴代の赤龍帝と戦っても十分戦えるほどにはな。なあ、今代の赤龍帝、一体どんな魔法を使ったんだ?」
まさか質問を振られるとは思わず硬直したが、部長がそっと手を握ってくれて、落ち着きを取り戻した。
「俺自身の力ではありません。八神さんが俺たちを鍛えてくれました。幻想空間という魔法
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