第24話 Machination 3
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「今日の、昼は、カレーかなっと♪」
鼻歌混じりに食堂に向かうのは、もちろん我らが主人公、アオイ・カズトだ。
そんな彼を、少し遠くから見つめている、いや、観察している眼があった。
それは三対の眼。
1人は、赤い髪を頭のポニーテールに結んだ、まるで獣のような鋭い眼を持った、美少女。
三学年第4位。
アーネット・マックミルラン。
1人は、褐色の肌に、まるで刃物のような銀色に輝くショートカットの美少女。
三学年5位。
クレオ・ブランド。
そして最後の1人は、以前イングリットを焚きつけた小柄な美少女。
三学年第6位。
アティア・シモンズ。
「アレが噂に聞く、男のパンドラ?なんか普通だね。」
アーネットは、少しガッカリしたように
溜息をついた。しかし、それを隣に立っていたクレオが諌める。
「侮るなアーネット。あんな風貌だが、イングリットを倒した実力だ。」
「サテライザーと二人掛かりで、だけどね。」
その台詞を繋いだのはアティアだ。それを聞いて、部屋の片隅で静かにしていたイングリットは、少し不機嫌そうに三人に向けて言った。
「二人掛かりでも私は彼に負けた。言っておくが、彼は本当に強いぞ。」
「あれ?なんかイングリットがムキになってんの?」
アーネットにそう言われると、イングリットは少し顔を赤らめ、ついと背ける。
その仕草は、どこか照れているような様子で、からかい好きのアーネットやアティアには、格好の的だった。
「何よ、イングリット。もしかして、彼のこと……」
「ば、バカなことを言うな!」
少しだった、顔の赤が、全体に広がる。
これには、アティアもアーネットも予想外で、呆然としている。クレオに至っては状況についていけていない。
「イングリット、もしかしてあんた本当に、あいつのこと……」
「やめろアーネット??それ以上は言うな??」
ーこれは、あの少年は相当な曲者だ。
アーネットとアティアは、そう思い、カズトへの警戒を強めるのであった。
一方、カズトは……
「いや、今日はカツカレーにするか。」
お昼のメニューに悩んでいた。
「タダなら両方行くって手もあるけど……流石にカレー系統を二つとなるとキツイしなぁ……」
それ以前に、カレー一皿だけという発想が無いのに驚きなのだが……
「よし、ここはカツカレーとペペロンチーノという異色のコラボでいこう。」
そして、二つの皿を手に取り席を探していると、アーサーが手を振っているのが見えた。
「うっす、相変わらず爽やかだなお前は。」
「なんの話だよ……それにしても、よく食べるね、カズトは。」
「昨日晩飯食いそびれたからな。」
先輩の手作りディナーが、と嘆いていると、
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