鎧武外伝 バロン編
鏡のようにそっくりだから
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で眠らせた挙句、知らない間に服まで着せ替えたくせに」
「え!? だめじゃん、それ! リッパに犯罪!」
「あう……」
戒斗はシャプールを引っ張って工場の一つに入った。幸いなことに無人だった。
戒斗は薄藍色のスーツを脱いだ。シャプールに対して言外に服を返せと訴えた。
シャプールは、戒斗とは対照的なほどに分かりやすい残念な表情で、チームユニフォームを脱いだ。
咲は彼らが服を元に戻す間、外で待つことにしたらしい。
さすがに小学生とはいえ、異性の着替えをまじまじと見るわけにはいかない、という良識はあるようだ。
赤と黒のチームユニフォームを着直し、戦極ドライバーとロックシードも取り上げる。これでいつもの駆紋戒斗だ。
用もすんだ戒斗は工場を出ようとした。
「カイトみたいに! ……自由に生きてみたかったんだ」
シャプールの言葉は、事のカラクリを知った戒斗にとって安っぽいものとしか聞こえなかった。
「とぼけるな。自分の命が狙われているのが分かっていて俺と入れ替わったんだろう?」
「命? 僕の?」
「忠告しておく。戻ったらお前は死ぬぞ。お前は自分の父親に命を狙われてる。せいぜい気をつけて国に帰るんだな」
散々こちらの都合を引っ掻き回したのだ。この程度の意趣返しは許されるだろう。
例えシャプールの命が危険に曝されようが、それしきで死ぬ弱者に用はないし、危機を逃れる程度の強者であれば戒斗が助力するまでもない。
戒斗は今度こそ工場を出た。
出入口で待っていた咲が、戒斗を認めて顔を上げた。
「もういいの?」
「後は奴自身の問題だ」
歩き出した戒斗の後ろを咲が付いて来る。勝手に付いて来たとはいえ、幼い少女をこういった場所に放って帰るわけにもいかないので、何も言わなかった。
「い、いいの? あの人、ほっといちゃって。おぼっちゃま育ちっぽいし、このままロトウに迷うかもだよ?」
「気になるならお前が戻れ」
「あたしは! ……今日のバロンとの合同ステージすっぽかしたから、今からでも行って謝らなきゃなんだもん。ヘキサここんとこ来ないから、リフトの人数足りなくて、あたしまで抜けて、センターのザックくんゼッタイこまってるだろーし」
戒斗は無言で足を進めた。
これ以上、シャプールと関わってトラブルになるのは御免だ。
「〜〜っわかったってば! いいよ、自分で行くよっ。あの顔だと戒斗くんがいじめられてるみたいだから!」
ふいに戒斗の頭に過去の光景が弾けた。
――酒に酔った父に暴力を振るわれる母と、幼い自分。
――痛
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