成長編 素材
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多い所を見抜かれやすくなる。このままでは駄目だ……今の俺の剣術は穴だらけだから、今の内に弱点を埋め直していくべきだ。
しかし……この男から学ぶのか? 実力が凄まじいのはわかるが、彼の剣術は俺の暗殺用近接格闘術と似た雰囲気を感じたし、それにどうも本心をあまり表に出さなそうな気が……。いや……そこは俺も同じか。
「……返事を言う前に聞かせてくれ、おまえは何者だ?」
「おっと、誘っといて自己紹介してなかったとは、ついうっかりしてたぜ。俺の名はサムエル・ホドリゲス」
「サミュエル・ロドリゲス?」
「ああ、英語圏だとそう呼ぶんだっけな。とりあえず俺の事はサムって呼んでくれ。ホドリゲス新陰流の宗家の生まれで、剣術師範代に匹敵する実力は備えていると自負している」
「自負? 資格を持っている訳では無いのか?」
「まあ、な。家の方が連中のテロのせいで全滅しちまってな、生き残った俺様は仇討ちのためにやってきたってのが、俺がここまで来た理由って奴さ」
「そういう事だったのか。こっちは連中が売った麻薬のせいで犠牲になりそうだった女の子がいてな。何とか助けたのは良いが、このまま連中を放置しておく訳にはいかないと思って、ここまで来た」
「ひゅ〜、勇ましい坊やだ。ますます気に入った」
「そりゃ光栄だが、俺は坊やじゃない。それと……さっきの話を受け入れよう。俺は……おまえの剣術を学ぶ。学んでこの先の戦いもやり抜いて見せる」
「オーケー。短い間だが、骨の髄までホドリゲス新陰流を教え込んでやるよ、サバタ」
「フッ……すぐに使いこなしてやるさ、サム」
こうして俺はサムと麻薬マフィアを潰すまでの短い期間だが、師弟関係を結ぶ事になった。余談だがシュテル達も俺がサムから剣術を習う隣で見学していた。もしかしたら彼女達が人の身体に戻った時、何気に使えるようになっているかもしれないな。
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