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リリなのinボクらの太陽サーガ
成長編 素材
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術の構えを取った。こちらも力を絞り出し、暗黒剣を正眼に構える。

周囲から一切の音が消え、心臓の鼓動が耳に響く。一瞬でも気後れしてしまったら、その瞬間に敗北が決定する。明鏡止水、その境地に至るまで俺は神経を集中……彼の一挙一動を見極める。

…………………………ッ!!

呼吸が合わさった刹那、この戦い最高の速度を以って俺達は直進、俺は渾身の力を込めた剣、彼はトリガーを引いて弾丸が射出される勢いの刀が衝突して、シュテル達が煽られる程の衝撃波が発生する。

「見えた。お前の剣は“喪失”を恐れている」

「ッ!?」

「人の命を大事に思い過ぎて、傷つける事に恐れを抱いている。その剣を人の血で汚したくなくて、人を斬る事を躊躇っている。他者の命が消えないように、対人戦では無意識に手加減している。簡単に言えば、おまえは命の重みを知り過ぎている」

「…………」

鍔迫り合いの反発で互いに弾き飛び、一定の距離を挟んで戦いは小康状態となる。それよりも彼の言った事が耳から離れなかった。その理由は自分でもわかっている。彼の言葉が真実だからだ……!

「別にその信念を否定する気はないし、むしろ立派な心構えだと思うぜ? 本当に、その歳でよくもまぁそこまでの気概と実力を兼ね備えたもんだ」

納刀してパチパチと軽く拍手している彼だが、俺は自分が光の世界に長く居過ぎたせいで、いつの間にか腑抜けてしまっているのではないかと思っていた。このままでは大事な戦いで、意思を貫くための力が及ばなくなるのではないかと……。

「クッ……俺は……もっと強くならねばならない。あいつらと……何より俺自身の目的を果たすためにも、今一度鍛え直さなくてはならない……!」

「な〜るほど? おまえさんにも中々複雑な事情があるみたいだな。そのために力が必要だって事なら……面白そうだ、この俺が力を貸してやろうか?」

「なに? おまえが?」

「そういや俺の家系の流派を継ぐ人間が一人もいなかったなぁと思ってな、おまえさんに俺の剣術を伝授したら中々面白い剣士になりそうだ。我流で俺とあそこまでやれたのは称賛に値するが、やはり流派には流派の長所があるってもんさ。荒削りな我流で戦い続けるより、剣の振るい方を覚え直した方がよっぽど今後のおまえさんの力になるはずだぜ?」

「…………」

冷静に考えると、彼の提案は中々魅力的だ。俺の元々の戦い方は銃か体術であり、剣の使い方は経験任せで実の所中途半端だったりする。そんな剣では自分の腕に絶対的な信頼を置けないし、何より決め手に欠けたままになってしまう。恭也や士郎には我流の強みと弱みを指摘されながらも、実戦慣れした俺の剣術なら大抵の敵が相手でも十分問題ないだろうとは言っていた。しかしあるレベルを超えると、我流では脆い所や隙の
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