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リリなのinボクらの太陽サーガ
成長編 素材
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……年の割にイイ殺気を放ちやがる。久しぶりに背筋が震えたぜ……!」

「おまえこそ……この刺すように凍てつく殺気、俺もこれほどの気概を持った人間は他に見た事が無い」

そうやって挑発と称賛を交えながら互いに睨み合う俺達。シュテル達は“ムーンライト”に飛び乗って事の成り行きを見守っているが、そもそも目的が同じなら協力出来るんじゃないか、と普通の人ならそう考えるだろう。

「いいねぇ、そうでなくっちゃ話にならない。来た甲斐があったというものだ」

だが俺と彼の間では、その話は既に結論が出ている。即ち……、

「剣で語るのみ、ってヤツだぜ? それが一番ややこしくなくて済む」

彼は刀身が赤く光る刀を抜き、正眼に構える。俺も暗黒剣を構え、両者の間に真空が張ったかのような緊張感が生じる。周囲にいた一般人は「喧嘩だぁ!」と叫びながら一目散に逃げていき、表通りなのに人の姿が俺達以外にいなくなった。

「良いだろう、我を通すのは強い者だけだからな。俺も俺自身のケジメを果たすために、おまえを越えて見せる!」

「オーケー……! いざ参る!」

刹那、轟音と爆音が発生。周囲に衝撃波をまき散らしながら俺と奴は相手の下へ一気に駆け抜ける。剣が届く距離になった途端、袈裟斬り、返し斬り、回転斬り、のコンボで彼は卓越した速度で刀を振るい、こちらはとにかく大剣で防御し続ける。彼の刀は触れるだけで奇妙な衝撃が走り、これは受け止めるだけで中々手に堪える。だがこちらも押されっぱなしではない。彼の強烈な切り上げの勢いを逆に利用し、受け流して彼に僅かな隙が出来た所に彼の刀を握る右手を目掛けて剣をぶつける。しかし彼はこの程度の攻撃では一切ひるまず、すぐさまカウンターの蹴りが放たれて俺は避ける間もなく、まともに腹部に直撃してその勢いで後ろに飛ばされる。跳ね飛ばされた勢いをバック転の要領で、地面に片手を着き、一回転して着地する。
地面に足が着いた勢いを瞬発力に変換して、再び接敵。対する彼も勢いを殺さずに再び突進。俺の暗黒剣と彼の刀がぶつかり、鍔迫り合いで火花が散る。

「ほう、我流か。筋は悪くないな、だが……!」

「くッ!」

やはり体格の差や力の差があり、力で押し切られて後ろに吹き飛ばされてしまう。何とか立て直したが、俺は予想を超える彼の尋常でない強さに内心驚愕していた。士郎クラス……いや、それ以上かもしれない。これは相手の力量を見誤ったか……。

腕がビリビリ痺れて剣を握る手に力が入りにくくなる中、彼はゆっくり歩きながら告げてくる。

「お前の剣には何かが足りん」

「……?」

彼が何を見ているのかよくわからないが、俺はまだまだやれる。その気概を込めて俺は立ち上がり、彼の目を見据える。彼は嬉しそうに頬を吊り上げ、刀を一旦納刀して抜刀
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