2ndA‘s編
第十六話〜生誕〜
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モールス信号でもなくキチンとした機械音声での言葉であった。窮屈な思いをさせたかなと思いながらもライは短く、だがハッキリと自身の気持ちを告げた。
「見届けたい」
「「――――」」
二機から返事はなかった。
「――――始まる」
そう呟くと煌びやかな魔力と爆発、そして防衛プログラムであるナハトヴァールがその姿を表した。
それは御伽噺に出てくるような怪物であった。醜悪な筈なその姿にどこか神々しい物を感じさせるとはどんな冗談だ、とライは思う。
「熾烈……いや苛烈か」
ボソリと呟かれたその表現はある意味で的確であった。
今のライでは足元にも及ばない魔導の攻防戦が繰り広げられていた。
撃ち撃たれ、守り守られ、また放つ。
遠目から見ても大きく見える魔力の塊が尾を引いて伸びていく。それは時にナハトヴァールの体躯を削り、時には飛んでいる魔導師達を散らしていく。
ライの視界に映るその戦いは元の皇歴の世界でのナイトメアフレームの銃撃戦を連想させた。その銃撃戦を生身の人間が行っていて、そして尚且つそれに慣れ始めている自分に“本当に遠くに来た”ともう何度目か分からない思考を持った。
目を奪うような魔導の戦い。それが幾分続いたのか。少なくともライはそれを一瞬のように感じていたが、その攻防の拮抗が崩れる時がやってきた。
「……マズイな」
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