暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
2ndA‘s編
第十六話〜生誕〜
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、三人の少女たちに上目遣いで気遣われるという、成人男性にとっては何とも居心地の悪い配置となってしまう。

(…………あー……、うん。目線を合わせたほうが彼女たちも話しやすいかな?)

 何故か言い訳がましいことを考えながら、ライは膝を折り視線の高さを目の前の三人に合わせる。すると、それを皮切りになのはが三人を代表するように話し始めた。

「えっと、ライさんの言っていた通り、私の魔力をフェイトちゃん達に分けてあげたらすぐに目が覚めました」

「……ああ、だから」

 彼女の言葉が何を意味するのかを理解すると、ライはこの場にフェイトと魔力切れを起こしたはずのクロノがいた事に合点がいった。
 ライが防衛プログラムである人型に仕掛ける前、彼はなのはに一つの指示を与えていた。それはアースラの方で未だに回復していない魔導師に彼女の魔力を分配、譲渡することである。元来、長期的な戦闘を行うことを苦手とするライにとって、後詰として彼女たちの復帰は必要不可欠なものであったのだ。

「あの、ありがとうございました」

「特に確証があったわけじゃないから、そんなに感謝されても……」

 そう言いながら、なのはの隣にいたフェイトが頭を下げてくる。その純粋な感謝の言葉にむず痒いものを感じながらもライも返事を返す。その表情は若干苦笑いだ。

「お二人さん、ウチもええかな?」

「あ、ごめんね、はやてちゃん」

 もう既に自己紹介を済ませていたのかなのはははやての名前を読んでいた。
 了承を得たはやてはなのはと交代するように一歩前に出ると、深々と頭を下げてきた。

「ウチの子らが大変お世話になりました。まだ終わってへんけどありがとうございます」

 独特のイントネーションで紡がれるお礼。気がつけば、彼女の後ろには夜天の魔導書の騎士たちもはやてと同じように頭を下げていた。騎士の中にはライにまだ疑念を抱いている者もいたが主を救うきっかけをライが生み出したことはしっかりと理解していた為、素直な感謝の念をライに向けていた。

「あ、頭を上げてくれ。いきなりのことで驚くから」

 ライにとってはいきなりの展開に困惑するしかない。しかし、それは嫌がるとかそんなものではなく、戸惑っているだけであり、どこまでも純粋な感謝の意を受け止め慣れていない彼にとってはある意味でしょうがないことでもあった。
 その後、時間もあまりないことから、挨拶もそこそこにライは浮遊魔法を使いながらその場から逃げるようにして戦域ギリギリの辺りに退避することになった。

「マスター、ここでは多少なりとも被害が予想されますが?」

 これから立ち向かう彼女たちの姿が見えるギリギリの位置で停止したライに、蒼月が確認するように言葉を放つ。今回は念話でも、発光を使った
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