2ndA‘s編
第十六話〜生誕〜
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受け取る事が大切なことであるとライは考える。
それを告げるのは自らの存在の証明であるのだから。
「名前を……聞かせて欲しい」
「強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール……リインフォース」
その名前は予測通り、ライの記憶にある少女と同じ名前。ある意味で予測通りであるその名を聞いた時、ライは暖かい気持ちが込み上げてくる。
「あぁ…………綺麗な名前だ」
口からこぼれ落ちたのは純真な感想。それが聞こえたのかは定かではないが、彼女が笑顔を浮かべたことは確かであった。
「リインフォース、治療はもう少しで終わりますから貴女ははやてちゃん達の方へ」
そんな中、ライを治療していたシャマルから声が掛かる。ライはどこかやり遂げた表情をしているが、今現在も問題は残っているのだ。
「……そう、だな…………風の癒し手、彼のことを頼む」
名残惜しそうな表情をしていたが、やるべきことを理解している彼女は今なお話し合っている岩場の方へ飛んでいく。それを見送り、その場に残されたのが二人だけであるのを確認すると、シャマルは目を細め意識がはっきりし始めたライに向けて口を開いた。
「貴方は一体“何”なの?」
海鳴市・海上・岩場
「―――――では、まずは切り離された防衛プログラムをどうにかする。そういうことでいいんだな?」
そう言いながら、クロノは海面のある一面を指しながらそう告げた。
彼の指し示した先には黒い平面的な淀みのようなモノが存在した。それは濃密な魔力の塊であり、まだ指向性を持っていない防衛プログラムの本体である。紫にも黒にも見えるソレはひどく澱み、全てを飲み込もうとする闇に見えた。
「ああ、その通りだ。だが申し訳ないが、こちらもその手段を持ち合わせてはいない」
彼の質問に肯定の意を告げたのは、先ほどライの元から戻ってきたリインフォースである。彼女は管制人格ということもあり、現時点で最も防衛プログラムに精通している。その為、自然と管理局側からの質問は彼女が答える形となっていた。
「ここにいる人員で本体コアを露出させることは可能か?」
「?…………」
そう尋ねるクロノの意図を測りきれず、内心で首を傾げながらもリインフォースはここに居る全員をぐるりと見回して律儀に答える。
「恐らくは可能だと思われるが…………」
「不可能と断言されるよりも可能性はあるということだな……作戦プランを説明する」
クロノの口から出てきたのは至極簡単な方法であった。
この場にいる魔導師たちによる殲滅を行い、防衛プログラムであるナハトヴァールの本体コアを露出させ、最後に地球の衛星軌道上で待機しているアースラに装備されているアルカンシェルによってそのコアを消失
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