暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜過ちを犯した男の物語〜
四話:約束と出会い
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「……私は、絶対にお母さんの役に立つ。それで……全部終わったらお母さんに抱きしめて貰いたい。だから……手伝ってくれませんか、ヴィクトルさん?」


そう、強い意志の籠った眼で答えるフェイトにヴィクトルは満足げな笑みを浮かべると共に彼女が母親からの愛に飢えているのを再認識して悲しさを覚える。プレシアが何を願いジュエルシードを集めているのか、なぜフェイトを愛さないのかは今のヴィクトルには分からない。何かを取り戻すのが目的なのは分かっているのだが、その何かが見えてこないのだ。

だが、プレシアを否定する気にはどうしてもなれなかった。かつての自分と同じように過去を追い求めているプレシア。自分が偉そうに否定する事など出来るはずがない。……だとしてもだ。この自分を不安げに見上げて頼って来る小さな少女の、小さな望みを叶えることに協力するぐらいなら許されるのではないか? そう思い、ヴィクトルはフェイトの前に黒い手袋を嵌めた右手の小指を差し出す。


「えっと……」

「フェイト、私と約束を結ぼう。君の願いを叶えるために……必ず」


これはどういうことかと戸惑うフェイトにヴィクトルは約束を結ぶためだと教える。もう二度と約束を破らないと自分自身に言い聞かせながら。そして、フェイトはまだ戸惑いながらもソロソロと自身の小指をヴィクトルの手に向けて差し出して来る。

ヴィクトルはその小指にしっかりと自身の小指を絡ませる。すると、今までやったことのない行動への緊張ためかフェイトの手がフルフルと震えるのが彼の手を通して感じられた。アルフはそんな暖かな様子に気を使ったのか二人から少し離れて終わるまで待つ。


「私と目を合わしなさい、フェイト」

「う、うん」


彼が娘に教えたように、彼がかつてアイボーから教わったように、本当の約束とは目と目を合わせて行うものだと、フェイトに語り掛ける。


「本当に本当の約束だ。私、ヴィクトルとフェイト・テスタロッサは必ずその願いを叶えることを約束します」

「や、約束します」

「約束だ」


そう言って、指を切る二人。ヴィクトルは心に決めていた。かつて、自分がまだ“ルドガー”だった時に犯した過ちをもう二度と繰り返さないと。例え、この命を捨て去ることになるのだとしても必ず―――約束を守り抜くのだと。その覚悟を見届けるかのように満月が二人を優しく照らしていた。





ある日の夕方、ヴィクトルは一人の少女に出会った。その少女との出会いはスーパーの特売で牛肉が安く買えたので、アルフの好きな肉料理でも作ろうかと考えながら歩いている時だった。茶色の髪をツインテールに整えた制服姿の女の子が何やら歩道に植えられている木の上の部分を見たかと思うとキョロキョロと辺りを見回
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