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少年少女の戦極時代・アフター
After3 土を泳ぐ殺人魚 @
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やしない。


 いやあああぁぁぁっっ


 ぴた。城乃内と咲の足は同時に止まった。

「今のって」
「うん」
「「悲鳴!?」」

 城乃内たちは走り出した。悲鳴が聞こえればその音源である場所に駆けつけるのは、もはやアーマードライダーとしての習い性だった。

 悲鳴の源はすぐ見つかった。

 50メートルと離れていない廃れた公園の茂みに隠れるように、一人の女子が首から下を()()()()()()()()いた。こんな光景は、海水浴の砂浜でふざけて体を砂に埋めた時くらいにしか拝めまい。

 さらに恐ろしいのは、その女子の頭の角度からして、彼女が土中に()()()()()埋められている点だ。


「待ってて! すぐ出して……」
「だめだ、咲ちゃんッ!!」

 城乃内は咲を引き留め、腕で目隠しをした。

「見ちゃ、だめだ」

 ――女子はとうに事切れていた。目を剥き、その目からは血涙が滴っている。その状態で彫像のように動かない。

 ヘルヘイム災害から、あれ以上に凄惨な光景はこの世にない、と思っていた城乃内の価値観を揺らがすほど、女子の死に様は惨かった。

 駆けつけたはいいが、こればかりは城乃内にも咲にも何もできない。せいぜい110番する程度だ。

 咲を公園の外に出してから通報しようと思い、見たくはないがもう一度その女子の死体を向いた時だった。妙な物が目に付いた。

 小さな三脚に載ったスマートホン。
 ちょうどあの埋まった女子の顔と同じ高さにセットされている。

 ――本土から沢芽市に逃亡してきた連続殺人犯。
 ――犯行の特徴は、被害者の体が不自然に地面や壁にめり込んでいた点。

(何で気がつかなかったんだ。そんな人間離れした犯行なんて、ただの人間にできるわけない。できるとしたら、人間じゃないモノ――オーバーマインドくらいじゃないかよ!)

 城乃内は量産型ドライバーを出して装着した。

「城乃内くん?」
「咲ちゃん。落ち着いて聞いて。もしかすると、今この場に、オーバーマインドがいるかもしれない」

 咲はひゅ、と息を呑んだが、すぐに自ら城乃内の腕を抜け出て、戦極ドライバーを装着した。
 背中合わせになり、どこかにいるかもしれない敵を探す。

「――あのさあ。人がちょっと充電器買いに行ってる間に現場荒らすの、やめてほしいんだけど」
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