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少年少女の戦極時代・アフター
After2 “オーバーマインド”
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選ばれた人間だぁ、ヒャッホーイ!!』

 曽野村は楽しげに飛び跳ねてから、カミキリインベスの姿に戻った。

(今までのインベス退治とほぼ変わらないはずなのに、どうしてこんなにキモチワルイの)

 知性がないインベスになった人が、何の弾みか知性を取り戻した。そして、地球に帰って来て、暴れる。
 オーバーマインドインベス。
 フェムシンムの民ではなく、元は地球人だった、インベス。

『咲』
『っ、戒斗、くん』
『爆弾でかく乱しろ。あとは俺がやる』

 謝りそうになって、呑み込んだ。
 月花はカッティングブレードを1回、拳で叩き落とした。

《 ドラゴンフルーツスカッシュ 》

 両手に持てる限りのDFボムを持ち、カミキリインベスへ思いきり投げ放った。
 カミキリインベスはDFボムを頭の触手を揮って弾くが、弾いた拍子にDFボムは爆発し、煙を上げた。

 カミキリインベスがたたらを踏んだ一瞬、それだけでよかった。

《 バナナスパーキング 》

 バロンは走り、勢いのまま強化したバナスピアでカミキリインベスの胸の中心を貫いた。

『お、俺を、やっても、終わりじゃねえ、ぜ……地球へ、帰ってきた連中は、まだまだいるん、だ……そいつらがお前らを、見逃すと、思うな、よ……』

 バロンがバナスピアを抜いた拍子に、カミキリインベスは膝を突き、倒れると同時に爆散した。
 その様から月花は目を逸らせなかった。

『フン。オーバーマインドがどれほどのものだ』

 戒斗がロックシードを閉じ、変身を解いた。

「今まで通りねじ伏せるだけだ」

 戒斗の言う通りだ。知性がないインベスだろうがあるインベスだろうが、沢芽の街を傷つけるならば、それはアーマードライダーの咲が退けるべき「敵」だ。

 咲もまたロックシードを閉じて変身を解いた。途端に低くなる視界。軽くなる体。対照的に、胸の内は重かったけれど。

 咲は一つ深呼吸して、戒斗を見上げた。

「助けてくれてありがと、戒斗くん。もういーよ。早く行かないと、ヒコーキ乗りそびれちゃうよ」

 戒斗は世界を見て回る旅に出るのだ。ここから先のオーバーマインド問題は、光実たちと協力して、咲がどうにかせねばならないことだ。

「旅はとりやめだ」
「ふぇ?」
「しばらくは沢芽にいる」

 それは、遠回しながら、共に闘ってくれるという意味だと、付き合いから分かった。

「〜〜っ戒斗くん!」

 咲は込み上げた喜びに任せて、戒斗にタックル同然に抱きついた。
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