猟兵としての生き方
第4話 赤い星座
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スベルには多くの人で賑わっていた。それは僕の目にはこれまで見たことのないような華やかな世界だった。
「凄いな、帝国や共和国以外でこんなに人がいるのは初めて見た」
エレボニア帝国やカルバート共和国といった西ゼムリア大陸を代表する二大国家はその広大な土地のため治安維持がしきれない所がある、その為他の国と比べると猟兵が雇われやすく動きやすい為よく依頼を受けている。まあ猟兵が必要って事はそれだけ紛争地帯が多いってことなんだけど……
とにかくその二大国家以外でこれだけの人を見るのは初めての事なんだ。
「おい坊主、あまりキョロキョロとすんなよ。田舎者だと思われるだろうが」
そう言って僕に注意したのは西風の旅団の連隊長の一人であるガルシア・ロッシだった。
彼はマリアナ姉さんに次ぐ西風の古株で、団長も右腕として信頼しているほどの実力者なんだ。
圧倒的な戦闘力と達人級の軍用格闘術で敵をなぎ倒す姿から『キリングベア』と呼ばれている戦士だ、僕も彼に軍用格闘術を習っているんだ。
顔は怖いがあのゼノやレオも「兄貴」と呼ぶくらいの面倒見の良さもあって僕も慕っている。
「あ、ごめんなさい……」
「チッ、怒った訳じゃねえからシュンとすんな」
言葉は怖いがガルシアが優しい人だって事を僕は知ってる、今だって僕を心配しての言葉だしね。
「相変わらずの不器用さだな、ガルシア」
「団長、アンタには言われたくないな」
「あはは……」
そうこうしながら僕達はルバーチェ商会のある裏通りを目指した。
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裏通りにあるルバーチェ商会の屋敷に入り今回の依頼主に会う。
「お待ちしていましたよ、ルトガーさん」
「これはこれは……お久しぶりですね、グルシアさん」
依頼主であるルバーチェ商会三代目会長『グルシア・バッカーノ』、オールバックの40代位の男性だ。
「以前も貴方達に色々助けて頂いたおかげでルバーチェ商会も更なる発展が出来ました」
「いえいえ、それが俺達の仕事ですから」
「我々としても今後とも西風の旅団の方々とは良好な関係を築いていきたいと思っています」
「それは光栄です、是非今後とも宜しくお願いいたします」
そういえば以前団長たちはルバーチェ商会の依頼を受けたことがあったってゼノが言ってたっけ。僕はまだ小さかったから詳しい事は知らないけど。
「所でそちらのお子さんは?以前は見ませんでしたが……」
「息子のリィン・クラウゼルです。リィン、挨拶しろ」
「あ、リィン・クラウゼルです」
「ほぉ、あの〈猟兵王〉に息子が……なるほど、将来が楽しみだ」
やっぱ
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