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オズのベッツイ
第五幕その一
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                 第五幕  果樹園と巨人の国
 一行はハーグの都に向かいます、その途中で、です。
 果樹園の中に入りました、その果樹園の中においてです。
 ベッツイは皆にです、こう言いました。
「ここはハーグの都の人達の果樹園だけれど」
「それでもですね」
「この果樹園の果物はなんですね」
「ええ、食べていいのよ」
 そうだというのです。
「自由にね」
「随分気前がいいですよね」
 カルロスはベッツイの言葉を聞いてハーグの人達特に皇帝の気前のよさに感嘆しました。
「食べていいなんて」
「それも幾らでもね」
「本当に気前がいいですね」
「だって、幾ら食べてもね」
 周りにあるプラムや林檎等を見ての言葉です。
「すぐに生えて実るから」
「だからですか」
「そう、ここにいる鳥や動物達も食べているわよ」
 すぐ傍で小鳥達がオレンジをとても美味しそうに食べています。
「だから私達もなの」
「食べていいんですね」
「ええ、そうよ」
 ベッツイは笑顔で五人にお話するのでした。
「遠慮なくね」
「じゃあお言葉に甘えて」
「是非」 
 五人はすぐにでした、周りにある様々な果物を自分の手でもいでです。そのうえでお口の中に運んでいってです。
 食べはじめました、そのうえで言うのでした。
「うわ、美味しい」
「もうとても」
「こんなに美味しいなんて」
「本では読んでいたけれど」
「これはかなり」
「沢山食べてね」
 そう言うベッツイ自身です、いちじくをにこにことして食べています。
「本当にどれだけでもあるから」
「はい、ただ」
 ここでナターシャがそのベッツイに言います。
「果物だけですと」
「お腹が膨れないわよね」
「果物はビタミンがありますけれど」
「そうでしょ、丁渡お昼だからね」
 それでというのです。
「パンと牛乳も出すわ」
「そしてですね」
「ついでだからお昼にしましょう」
 果物を食べるついでにというのです。
「そうしましょう」
「そうですね、それじゃあ」
「そう、食べてね」
 そしてというのです。
「それからハーグの都に向かいましょう」
「そういうことですね」
「まずは食べることよ」
 とにかくこのことにこだわるベッツイでした。
「お腹が一杯になってね」
「そして、ですよね」
「いつも言ってるけれど何かが出来るから」
 それでというのです。
「食べましょう」
「そうですね、それでなんですけれど」
「それで?」
「ベッツイさんが今召し上がっているいちじくですけれど」
 そのいちじくを見て言うのでした。
「とても美味しそうですね」
「よかったら貴女もどうかしら」
 ベッツイはそのいちじくを一個ナターシャに差し出しましあた。
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