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とある3人のデート・ア・ライブ
第七章 歌姫
第6話 勝負(賭け)
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とができる精霊は存在する。ならば目の前の〈ディーヴァ〉にそれができても不思議ではない。

士織「一体なんで……」

初歩的な疑問。

美九は特に様子を変えることなく言った。

美九「前に言いましたよねー?私、ステージに立つことが好きなんですって。すると突然歌いたくなったんですよー。だから、えいやーって」

士織「そんな、理由で……?あたりには人がいたんだぞ!?」

美九「仕方がないじゃないですかー。私が歌いたかったんですよー?」

上条「人の命を何だと思ってるんだ……!?」

徐々に二人の怒りが増していく。色々なことを経験したからこそ、余計に。

士織「なんとも、思わないのか……?」

でも、美九の顔には一切の罪悪感はなかった。

美九「そうって言われましてもぉ……」

士織「もしお前の友達、そう、今日一緒に下校していた友達が死んでしまったらどうするんだよ!?」

士道が叫ぶように言うと、美九はしばしの間思案を巡らせ、視線を巡らせたのち、再び士道に目を向けた。

美九「それは困りますねー」

士織「だろ!?だからーー」

美九「また私好みの女の子を探すのに手間がかかっちゃいますしー」

士織「……え?」

上条「……は?」

士道と上条は自分の耳を疑った。

狂三と違い、その行動に、言葉に、悪意も、殺意もない。

明らかに、『異質』だった。

士織「悲しく、ないのかよ……?自分のせいで人が死んじまっても……」

美九「確かに悲しいですけどぉ、ほら、彼女達私のこと大好きですし、私のために死ねるなら本望じゃないですかぁ」



さすがに、限界だった。



琴里『士道!?落ち着きなさい!短気起こすんじゃないわよ!』

インカムからの声も意味をなさないように通り過ぎていく。

もちろん上条も怒っていた。

だけど、そこで無駄に怒らず最後まで相手の出方を探るということを覚えた上条はこの場では怒りを爆発させはしない。

上条は、だが。

血が出んばかりに握りしめた拳をテーブルに叩きつけ、その場に立ち上がる。

上条「士道!」

だが彼は、すでに聞く耳を持たなかった。

士織「自分のことを、好きだから……?」

美九「はいー。彼女だけじゃありませんよー。みんな、私のことが大好きなんですー。私の言うことは何でも聞いてくれるんですー」

士織「そうか……」

士道は顔を上げた。

士織「俺は、お前のことが嫌いだけどな」

美九「…………あらー?」

美九がピクリと眉を動かす。

士織「傲岸で、不遜で、鼻持ちにかはない。みんなお前が好き?はッ」

右手を持ち上げ、士道は美九にビッと指を突きつけた。


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