暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
黒守黎慈とフェンサー(4) ─交錯する心─
[8/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
いところだが、散々あちこち触らされたおかげでフェンサーの姿の凡その感覚は掴めている。
計測に従って、好き放題されていた右腕を少しずつ上に掲げて。
思いっきりデコピンをかました。
「いぃッ!? たぁい!!!」
バチコーン! といい音が響いた。
会心の一発。
心眼でもあるのかというくらい、視覚を封じた状態でのデコピンは強烈な一撃となった。
精神的にも大丈夫だと判断したので目を開けると、そこには銀髪の美少女が全裸で額を押さえながら蹲っていた。
もう惑わされんぞ、このおバカサーヴァントめ。
「うぅ……なんなのよぉ」
「そりゃこっちのセリフだ! 十中八九、からかおうとしたんだろうが、おまえ自分が策に溺れてどうすんの」
「う、うるさいっ! むしろ何でレイジはそんな冷めてるの!? 私の裸見て何とも思わないの!?」
「やかましいわ! ぶっちゃけ一時は押し倒してもいいかくらいに心迷ったけど、俺はそんな簡単に欲に溺れたりしねえよ!」
『向こうから来てるんだからもうよくね、据え膳食わぬは男の恥とか言うじゃん』
先程までの内心を表すならこんな感じだ。
精神制御して自分を抑制しようとするのがもう少し遅ければ、間違いは起こっていたやも知れぬ。
口には出さないけど女性としてみれば、黒守黎慈の人生で一番と言える美人さんですよ?
多分この先どれだけの女性と出会っても、フェンサー以上の美人さんは現れない。個人的な好みも含めて俺の中でダントツだ。
決して本人には言わないけどな!
「ほら、開き直ったぞこっちは。背中流すってんなら流せ、まだ頭しか洗ってねえし。からかうの失敗で引き上げるならさっさとここから出ろ」
目を開いてフェンサーの目を見つつ、キッチリと言い放った。
いつまでもこんなことをしていては体が冷えてしまう。
俺としてはさっさと風呂を上がって、新都の方へ出かけたいんだ。
ホテルのチェックアウトの時間までまだ余裕があるが、時間ギリギリまで部屋でのんびりすることもない。
適当に風呂を済ませて、1階にある朝食バイキングにでも行って、それから出発すれば十分だろう。
「むぅ……わかったわよ、普通に背中流してあげるわ」
むくれた表情で渋々タオルを手に取る。
洗体用のタオルしか取らないあたり、どうやら自分の体を隠すつもりは毛頭ないようである。
不意打ちを食らった時と違って落ち着いているので、彼女の裸体も意識しなければ大丈夫だ。
俺も全裸なのは若干恥ずかしいものの、弛まないように適度に鍛えているのでむしろ胸を張ろう。
以前にフェンサーも言っていた。見られて恥ずかしい身体してないから、と。
そこまで割り切っ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ