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Fate/stay night -the last fencer-
黒守黎慈とフェンサー(4) ─交錯する心─
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こともできない以上、話して聞かせるしかないのだ。
「で、なんなんだフェンサー、何が目的だ」
「いえいえ、マスターのお背中でもお流ししようかと」
「何か企んでるとしか思えない。直ちに回れ右して出て行きなさい」
「ひどーい、疲労困憊のご主人様を労うのも従者の務めですことよ」
「言い方が完全におちょくってる。大体今までこんなことしたことなかっただろうが」
素直な厚意であれば受け取るに否はないが、どう考えても不自然だ。
こんなことをしてくるあたり、フェンサーも昨晩のことは特に引きずってないようで安心したが、この状況は安心するしないどころの騒ぎではない。
一歩間違えればとんでもないコトになる。相応しいシチュエーションでならば望むところだが、今はそういう状況じゃないし気分でもない。
アレか? 『パパぁ、お小遣い欲しいのー、代わりにサービスしてあげるからぁ』みたいなものか?
いけません、お父さんそんなの許しません。
「私のルートに入ったのでイベント発生なのです!」
「意味わからん! 健全男子の前に軽々しく肌を晒すんじゃありません、精神衛生上よろしくないです!」
「あらあら? 私が肌を晒していると、レイジはどうかしちゃうのかしらぁ? そんな度胸ありましてー?」
「おまえ……あんまり嘗めてると、今に泣くハメに────」
「んーふっふー、火遊びしちゃう?」
「ッ!?!?」
あろうことか、俺の手を掴んで再び触れさせようとするフェンサー。
咄嗟に全力で腕を引こうとするも、人間とサーヴァントは単純な身体能力差も計り知れず、力を込めた腕は震えるだけで僅かたりとも引くことができない。
ゆっくりと引っ張られる右腕。ともすると体ごと引きずられてしまいかねないほどの膂力が働いており、それでなくとも男なら逆らえない引力がそこにはある。
魅了の魔術にでも掛かったように、体は本気の抵抗をしない。
このままではフェンサーの思う壺、何を考えてこんなことをしているのかは分からないが、術中に嵌められていることに疑う余地はない。
今の状況全部含めて単に俺をからかっているだけの可能性すらある、マスターとして男として、これ以上の狼藉を許すわけにはいかないのだ。
けれど悲しいかな、右腕は言うことを聞きません。
「ちょ、待てフェンサー! マジで洒落にならんぞ!!」
「ほぉら、もうすぐだよー?」
「っ……くっそ、マジで……待て……!!」
腕の肘関節部分はもうすぐ伸びきろうとしていた。
それはもう手の届くところに、フェンサーの裸体があることを意味している。
意図的に越えてはならない一線、彼女に触れるのだとしてもこんな不本意な形でなど望んではいない。
もういっそ開き直ってしまっ
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