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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆冒険の始まり
第七話 新たな仲間
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ここは第二層。

「はああああああぁぁぁぁぁっ!!!」
気合とともに打ち出す右手。
「せええええええい!!!」
続いて全力の左。
「うおおおおおおおお!!!」
右肩でタックルをかまし、
「りゃああああああっ!!!!」
まわし膝蹴り。直後にここ四日間なんども待ち憧れた消滅エフェクトが散った。

「よくやった。これで修行は終わりじゃ。あとは戦いの中で技を身につけるがよい。」
NPCの師範は、待ち望んだイベントの終わりを告げる。


マルバはたまたま立ち寄ったNPCレストランでたまたま出くわしたキリトとアスナ――まだパーティーを組んでいたなんて驚きだ――の二人と一緒に話をして、たまたまエクストラスキル《体術》の出現条件を聞き、ここに修行に来て、修行と称して理不尽な硬さの岩と格闘を繰り広げることになったのだ。
ただ岩を割ることに成功しさえすれば修行は終了なのだが、この岩が尋常じゃなく硬い。完全にスピード型のマルバの攻撃はほとんど通らず、四日間ずっと山にこもって岩を殴り続けていたのだ。キリトの「やめておいたほうがいいよ」という言葉の意味はこれだったのかと気づいて後悔したが遅かった。

何はともあれ四日間前線から離れることになってしまったマルバは、まずスキルスロットに空きがなくてせっかく苦労して習得した体術を装備できなくてがっかりし、さらに習得イベントの発生場所の山小屋から帰る途中の戦闘で愛剣(曲剣のほう)の耐久値が0になり壊れてしまってがっかりし、街に着いてからボス攻略が終わってしまったことを知ってがっかりした。特に二番目と三番目が痛い。
とりあえず最初の問題は習得途中の《曲剣》のスキルを諦めて《体術》スキルを鍛えることにして、二番目と三番目の問題はどうしようか、とマルバは悩んだ。


結局マルバは第三層の街へ行って鍛冶屋を探し、武器を作るのに必要なインゴットのタイプを聞いてから第三層で質のいいインゴットを入手し、ついでにレベル上げをして新しい武器を作ることにした。一石二鳥を狙う方針だ。




第三層はフィールドダンジョンとして中央に高山が存在し、季節は秋の設定にも関わらず高い山のてっぺんは雪さえ積もっている。そこにあるクリスタル系のインゴットが軽くて素早い短剣を作るのに適している、という話を道端に露店を出していた鍛冶屋(珍しく女性だった)に聞いて、ここを訪れたわけだけれど……

「さ、寒い……」

そう、ここは高山地帯。気温設定は15℃を下回り、防寒具がないと十五分ごとに低確率でステータス異常(デバフ)の《凍傷》になり、敏捷性にマイナスの補正がかかって技が命中しないわ走れないわというひどい状態になってしまう。幸い第一層のNPC防具店で『ケープ・マント』というやすっぽいマントを購入しておいたおかげで凍傷
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