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高原で
第四章

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「絶対に美味いからな」
「そうさせてもらうな」
 ロバートも笑顔で応えてだ、そのうえで。
 二人でその弁当を食べた、その味はというと。
 ロバートはまずツナサンドを食べてだ、目を輝かせて言った。
「いいぜ」
「すげえ美味いだろ」
「ああ、言葉通りだよ」
 ジーンのそれの、というのだ。
「本当にさ」
「こんな美味いもの作ってくれるんだな」
「当たり前だろ、折角のピクニックだぜ」
 それならというのだ。
「美味いもの食わないとな」
「御前料理美味いしな」
「あたしは確かに男まさりさ」
 それは自覚しているのだ、ジーン自身も。
 だがそれでもだ、笑ってこうも言うのだった。
「けれどちゃんとな」
「料理はだな」
「家事はな」
 料理だけでなくそれ全般が、というのだ。
「得意だよ、だからな」
「こうしてだな」
「何かあればな」
 こうした時はというのだ。
「喜んで作らせてもらうさ」
「それで俺に食わせてくれるんだな」
「そうさせてもらうな」
 こう笑顔出言うのだった。
「今もこれからもな」
「そうしてくれるんだな」
「それでな」 
 さらに言うジーンだった。
「他のもどんどん食ってくれよ」
「ツナサンド以外にもだな」
「ああ、食ってくれよ」 
 遠慮なくというのだ。
「そうしてくれよ」
「わかったぜ、それじゃあな」
「あたしも食うしな」
 こう言ってだ、実際にジーン自身も。 
 自分が作った弁当を食べた、ハムサンドを。
 そのハムサンドを手に取って口にしてからだ、ジーンはその細い目をさらに細めさせてそのうえでロバートに言った。
「美味いぜ」
「自分で作ったからこそだよな」
「よくわかるよ」
 その美味さがというのだ。
「本当にな」
「それじゃあな」
「ああ、どんどん食ってな」
 そしてというのだ。
「楽しもうな」
「飲んでもな」
 こうした話をしつつだ、二人で食事を楽しんだ。デザートのオレンジや苺、それにナッツも楽しんでだった。
 弁当もジュースも奇麗になくなった時にだ、二人でこう言った。
「もうな」
「腹一杯だな」
「本当に食ったな」
「食い過ぎか?」
「ははは、滅茶苦茶作ってきたからな」
「いや、ついついな」
 ジーンは満腹になって満ち足りている顔で述べた。
「気合入れて作ってな」
「それでか」
「ああ、作り過ぎたからな」
 だからだというのだ。
「食うのに苦労したな」
「けれどな」
「全部食ったな」
 二人で、というのだ。
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