暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
番外編01?しばしの別れと新たな出会い
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に毎日は無理だけど、少しずつここに顔出して、向き合いきってみせる。――そうじゃないと、自分の自慢の弟に失礼だよね」
?ニッと歯を見せて笑う可憐の顔は、まるで憑き物がとれたかのようにきれいだった。
?私は可憐に体から向き合い、その顔を正面から見る。
「……私さ、可憐の言うように毎日お見舞いに来てるけど、ここに来てすることなんて自分のことを傷つけるだけ、責めるだけだったんだ」
?これはずっと――ここに来るようになってからずっと思っていたことだった。
?あそこまで可憐は私にさらけ出してくれたんだ。なら、私もしっかり向き合わないと。
「ユウの顔を見ると、『私があのとき……』って思って自分にムカついちゃって……。ひどいよね。自分の弟そっちのけで。でも、今日の可憐を見て思ったよ。私も頑張りたい。ただ、自分を傷つけるんじゃなくて、ユウのために何ができるだろう。何をしたら、ユウが目を覚ましたときに安心できるだろうって考えてみる」
?私の言葉に可憐はさっきとは違って、優しい笑みを浮かべて、
「そっか。なら、お互い頑張ろうね」
「うん……!」
?二人で決意して、私たちはこの病室をあとにする。
?自分達の大切な弟がいる病室を。

◇◇◆

「じゃあ、私はすぐに帰らなきゃいけないから、お先に〜」
「うん、じゃあ、またね」
「うん、またねー!」
?そう言って、可憐は少し小走りになりながら先に帰る。……また看護師さんに怒られないかな〜?
?その親友の後ろ姿に手を振りながら見送っていると、私と可憐がいた病室のとなりの病室のドアが開いた。そこから、私よりも頭一つ分ほど小さい女の子が出てくる。
「あ、直葉ちゃん」
「あ、こんにちは夏菜さん」
?出てきたのは、桐ヶ谷(きりがや)直葉(すぐは)ちゃん。中学二年生の女の子で、眉の上と肩のラインでばっさりカットされた青みがかった黒髪と少し勝ち気そうな目が特徴の女の子だ。
?病室がとなりだということもあり、たまにあっては少し話をすると言う関係ができていた。
?話を聞くと、彼女の兄もSAO事件の被害者らしい。似たような境遇であり、彼女が武道の剣道をしていることもあって、とてもシンパシーを感じた。
「夏菜さんもお見舞いですか?」
「うん。そういう直葉ちゃんもお見舞い?」
「はい。昨日は部活で来れませんでしたけど、今日は大丈夫だったので」
「そうなんだ。部活大変だね」
?私も一応小さい頃から空手をやっているが、それは部活ではなく習い事なので毎日というわけではない。
?私の言葉に、直葉ちゃんは笑いながら手を横に振った。
「全然ですよ。それに毎日のことなのでもう大変だと思いません」
「えらいね〜」
?ほんと、私よりもしっかりしてるんじゃないだろうか。それはちょっと嫌だなー。
「あれ、直葉ちゃ
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