暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
番外編01?しばしの別れと新たな出会い
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
このナーヴギアのせいだ。
?この機器は、電子レンジに似た要素があるらしく、下手に取り外そうとして失敗すると被っている人の脳を焼き尽くすらしい。だから取り外しに失敗すると死亡者を出してしまうので、迂闊に触ることができないのだ。
?しかも、ナーヴギアを被っている人――つまり、SAOというゲームをやっている人がゲームオーバーになると、さっきの機能が発動し、殺すという恐ろしいことが判明していた。
?つまり、外部にいる私たちにできることは、ナーヴギアを被っている人がゲームがクリアするのを信じて待つしかできないのだ。
「ゴメンね、なにもできなくて……」
?小さく謝罪しながら、弟の手を握る。
?四ヶ月前までは私よりも大きかった手が痩せて私よりも細くなっている。それは手だけでなく身体にもいえたことだった。
?――私が……このゲームを買わなければ……
?そう、このゲームはもともと私が買ってきたものだった。
?ユウがどうしても欲しいと親と話していたので、私が買ってきてあげたのだ。
?――あの時、私が買ってこなければ、今が違っていたはずなのに……!
?自分に対する憎悪を抑えきれず、口を噛み締める。
?自分の胸の中からどす黒いものが溢れるような感覚がした。
「夏菜〜、落ち着きなって」
?その言葉にハッと我に返る。
?振り返ると、反対の位置にあるベッドにいた可憐が私の後ろにたっていた。
「そんなに手に力入れたら、今のユウくんの手は折れちゃうぞ〜」
「えっ……あ……」
?言われて自分の手を見てみると、ユウの手を持っていた方の手に力がこもっていた。どうやら無意識に力をいれていたようだ。
?すばやく手を離し、両手を背中の後ろにやる。そんな私を見て、可憐が呆れるように息を吐いた。
「まったく、あんた空手やってるんだから、か弱くないのよ?」
「失礼な!?私はか弱いよ!」
「握力三十もあって何言ってんの……」
?ユウくん、手大丈夫〜??などと言いながら、可憐は私が握っていた方のユウの手を撫でる。その撫で方は、まるで小さい子の頭を撫でるような優しいものだった。
「わぉ、ユウくんもずいぶん痩せたね〜。もともと細い方だったのに、もう私たちよりも細いんじゃない?」
「うん、多分」
?本当に文字通り触っただけで折れそうだ。
「そういう可憐の方はどうだったの?」
「こっちも同じだよ。蹴ったらボキッていきそう」
「例えが怖いよ……」
?そう言って、私は向かいにあるベッドの方を見る。
「海斗くんもまさか買ってるとはね……」
「いつもの三人で一緒にやろうって言ってたらしいよ」
「そうなんだ」
?ユウ、私には言ってないんだけど……。まあ、中学生にもなっていちいちそんなこと言うわけないか。
?ちなみに「いつもの三人」とは、私の弟のユウこと伊藤優佑、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ